ルー・リード、MP3によって音楽は最少公約数にまで貶められていると語る

ルー・リード、MP3によって音楽は最少公約数にまで貶められていると語る

ルー・リードは優れた広告に対して表彰を行うカンヌ・ライオンズ国際クリエイティヴィティ・フェスティヴァルに出席し、ここでMP3への反感を「音楽を最少公約数にまで貶めているもの」として露わにしている。

「MP3ね、これはロクなもんじゃないね。本当に悲しくなってくる音質で、人々はどういうものを見失っているのかわかってないんだよ」と嘆き、MP3の「おぞましい音」に対して「アナログ盤の美しい温もりのある音」を比較してみせたと『ローリング・ストーン』誌が伝えている。

さらに音質だけでなく、収入面でもアーティストの痛手となっていることを指摘していて、現在自分がダウンロードで得ている収入は、14歳の頃、バーへの出演で稼いでいた報酬とさして変わらないと次のように語っている。
「というわけで、俺は振り出しに戻されちゃったんだよ。若い人たちがダウンロードで育っているのはわかっているし、スティーヴ・ジョブズはそれをアップルが儲かるようなビジネスにしたがってたわけだけど、こっちは16分の1セントしか入ってこないんだからさ。昔はレコードをしっかり作ってたものなのに、まずは盤の大きさを小さくして、なにかというとすぐに割れるようなプラスチック・ケースに入れて、なんだこりゃみたいな。そのうち、実はこっちがぼったくられてるんだって気づいてきて、それで誰も何も払おうとしないんだってわかってきたんだよ。その間もミュージシャンにはまるで何も支払われていないわけでね、今じゃもうレコードを作るのってプロモーションと同じになってきてるんだよ」

なお、ルーは先月肝臓移植手術を受けていて、手術以来初の公での活動となった。手術後にルーはライヴ活動への復帰を望んでいると次のようにフェイスブックで語っている。
「俺自身が現代の薬学、医学、化学の勝利そのものなんだよ。いまだかつてなく自分を大きく、強く感じるよ。それに任廣義老師のおかげで、これまで長年にわたって陳式太極拳や薬膳を励行して、俺は健康を維持することができた。この先もずっとみんなの心と精神とそして宇宙と繋がるためにもさらなる創作に励んでステージに立つことを心待ちにしているよ」

(c) NME.COM / IPC Media 2013
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