ビートルズ、アメリカでの初ライヴのドキュメンタリー映像が訴訟の種に

ビートルズ、アメリカでの初ライヴのドキュメンタリー映像が訴訟の種に

ザ・ビートルズが初めてアメリカで行ったライヴの映像をめぐって訴訟が起こされている。訴訟を起こしたのはこの映像を所有しているエース・アーツで、ビートルズの作品の権利関係を管理しているアップル・コープスと著作権管理会社のソニー/ATVミュージック・パブリッシングを訴えている。

映像は1964年2月11日にワシントンDCのザ・コロシアムで行われた35分のライヴの模様で、当初、エース・アーツはこれを『The Beatles: The Lost Concert』というドキュメンタリー作品として公開の準備を進めていた。ドキュメンタリーは86分にわたる、チャック・ベリー、エアロスミス、マーク・ロンソンなどが証言やコメントを提供する内容になっていて、昨年の5月にアメリカで劇場500館での公開が予定されていた。

ただ、アメリカでは楽曲と映像を組み合わせた作品については楽曲の版権所有者からのライセンス許諾が必要で、ソニー/ATVはエース・アーツへの許諾を渋っただけでなく、最終的に第3者であったアップル・コープスにこの作品についての許諾を独占的に譲るという「極めて異例な措置」を講じたため、エース・アーツの映画公開の興行はすべて潰されることになった。エース・アーツは次のように訴えていると『ザ・ハリウッド・リポーター』誌が伝えている。

「2012年の4月というぎりぎりの土壇場でソニー/ATVはアップル・コープスに説得され、ともに共謀し、主催者や劇場経営者、さらに映画配給業者らに対してエース・アーツがこのドキュメンタリー作品に対して所有している正当な法的権利が有効でないと触れ回り、根拠のない訴訟へとイギリスにおいて打って出ると脅しをかけることによって、エース・アーツが用意していた配給契約を、悪意をもって妨害しました」

エース・アーツは著作権侵害、不法な妨害行為、不正競争のほか、独占禁止法違反にも訴えるとしている。なお、アップル・コープスでも『The Beatles Live!』というドキュメンタリーの製作を進めていて、その中で1964年2月11日のライヴを取り上げる予定になっているという。作品はプロによる映像のほか、ファンが撮影した映像も同時に採用した内容になっているという。

(c) NME.COM / IPC Media 2013
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