PiLのジョン・ライドン、公演のために全歌詞の提出を中国政府に求められたと明かす

PiLのジョン・ライドン、公演のために全歌詞の提出を中国政府に求められたと明かす

4月の来日公演前の今週末に中国の北京と上海公演を控えているパブリック・イメージ・リミテッド(PiL)だが、ジョン・ライドンは入国ヴィザを発行してもらう前にPiLの全作品の歌詞を提出しなければならなかったと語っている。

PiLは3月30日に北京のクラブの愚公移山、31日に上海のマオ・ライヴハウスでライヴを行うが、PiLの全作品、及びセックス・ピストルズの"アナーキー・イン・ザ・UK"と"プリティ・ヴェイカント"の歌詞の提出が要求され、中国文化省によって事前審査されたという。

中国では文化省によるメジャー級のアーティストの作品や歌詞の事前審査は珍しいことではなく、その結果、オアシスなど様々なバンドが入国を拒否されてきた経緯がある。今回の経緯についてジョンは次のように『NME』に語っている。

「中国政府は俺がこれまで書いてきた歌詞をすべて要求してきて、驚いたことに認可が出たんだよな。中国政府は驚異的な趣味のよさを誇っているか、俺がなにを言っているのかさっぱりわかってないかのどっちかだよね。どっちになるのか、楽しみでしようがないよ」

認可については驚いたかという問いにジョンは案外自分の身柄を拘置するための方便なのかもしれないという冗談を口にしている。

「そうなった場合にはほかの留置場よりも飯がうまいといいんだけど。これまで俺は世界中の留置場に放り込まれて来てるからね。留置場事情の情報の刷新もそろそろ必要かもしれねえな」

中国政府は、エルトン・ジョンが北京で行ったライヴを中国の美術評論家で政治活動家でもあり、中国政府による身柄拘束や巨額の税の追徴など嫌がらせを受けている艾未未に捧げて以来、欧米アーティストへの態度を硬化させていると言われている。

エルトンのライヴは昨年11月に行われたが、ライヴの締め括りにエルトンはライヴが「艾未未の精神と才能のために捧げられる」と宣言。その後、中国当局は「エルトンのライヴが艾未未の芸術作品のみに触発されている」と確約する声明文への署名をエルトンに強要したという。

また、ビョークも2008年の上海公演で「チベット!」とライヴ中に連呼したため中国政府の逆鱗に触れ、その後中国文化省から「ビョークの政治的なショーは中国の法律や規制に違反し、中国人民の心情を傷つけただけでなく、アーティストとしてのプロ精神にも反するものになった」と批判されることになった。

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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