イーグルスのドン・ヘンリー、バンドのドキュメンタリー『The History of the Eagles』について語る

イーグルスのドン・ヘンリー、バンドのドキュメンタリー『The History of the Eagles』について語る

デイヴ・グロールのドキュメンタリー『Sound City』のプレミア上映が話題を集めたサンダンス映画祭だが、滅多に取材を受けることのないイーグルスも1月19日にバンドのドキュメンタリー作品『The History of the Eagles Part 1』のプレミア上映を行った。

ドキュメンタリーは映像作家のハスケル・ウェクスラーがかつて手がけたが未完に終わったイーグルスのドキュメンタリーの素材やバンドが撮影してきた8ミリ・フィルム映像、写真などのほか、ジャクソン・ブラウン、リンダ・ロンシュタッド、デイヴィッド・ゲフィンなどバンドに近い人間とのインタヴューを収録し、バンド結成から1980年の実質的な解散までの姿を追った内容になっている。

なお、このドキュメンタリーには1994年の再結成以降の姿を描いた『Part 2』もあって、こちらは『Part 1』がケーブル・テレビ局ショータイムで放映される2月15日の翌日に放送される予定で、この放送がプレミアとなるという。

『ローリング・ストーン』誌の取材に応えたドン・ヘンリーはドキュメンタリー製作の動機について、バンドのメンバーがどう付き合っていて、メンバー間の対立がどういうものなのかなどといったことでバンドが相当に誤解されている節があるのでイーグルスというバンドの物語をきちんと伝えておきたかったとしている。

ドキュメンタリーはドンとグレン・フライの生い立ちから始まっていて、そこからカリフォルニアを目指すというモチーフが重要な要素となっているとドンは語っていて、バンドをやるキッズやスポーツ選手を目指すキッズが抱く典型的なアメリカン・ドリームのひとつだったと説明している。つまり、自分が生きていた場所を出て、より広い場所を目指し、自分自身を作り直すというアメリカン・ドリームをこの作品は追っているとドンは語っている。

バンドは70年代に放埓なライフスタイルを送ったことでも有名で、『ホテル・カリフォルニア』はそうした退廃をよく反映したものだとも言われているが、そうした過去について振り返ることについてドンは次のように語っている。

「そうした過去の一部は今も振り返るのが辛いよ。たくさんの若い人たちが経験するような自己破滅的なフェーズを潜ったわけだからね。不安や怖れ、自分はこれにふさわしくないんじゃないかという気持ちや明日にでも全部消えちゃうんじゃないかっていう気持ちに苛まれていたわけだよ。自分は今夢を生きているんであって、明日には全部なくなっちゃうんだというね。そういうのをまた全部確認するのはちょっとしんどかったね。そして、もちろん、薬物の濫用もそうしたことの一部だったし、それで無為に過ごされた時間ももっと建設的に使えたかもしれないんだ。でも、結局は全部が学習だったんだよ。ああいうことがあったからこそ、今の俺たちもいるんだ。しかも、俺たちはあれを生きぬいたわけだからね。それはそれでちょっとした奇跡なんだよ。このバンドに関わった奴で死んだ奴はまだいないんだからさ」

ドキュメンタリーのトレイラー映像は以下のサイトで観ることができる。
http://eaglesband.com/
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