ボブ・ディラン、昨年のうちに著作権延命ボックス・セットをリリース

ボブ・ディラン、昨年のうちに著作権延命ボックス・セットをリリース

著作権が無効になるのを防ぐのを目的にボブ・ディランが超限定で昨年リリースしたボックス・セットが話題になっている。

『The 50th Anniversary Collection』と題されたこのボックス・セットは、ディランがデビューした1962年頃にレコーディングされたレア音源86トラックを収録している。なお、62年のファースト『ボブ・ディラン』はリリースから50年を経たため、ヨーロッパでは著作権が失効し、アーティストへの印税を払うことなしにこの作品を販売できることになっている。

この時期の未発表音源86トラックも埋もれたままになっていると著作権が失効してしまうため、あらためてレコーディングとして昨年のうちにリリースしておきたかったというのが『The 50th Anniversary Collection』リリースの目的で、およそ100セットがフランス、ドイツ、スウェーデン、イギリスのレコード店に出荷されたという。ボックス・セットには直接的なサブタイトル『The Copyright Extension Collection, Vol 1(著作権延期用コレクション Vol 1)』と記されている。

『ローリング・ストーン』誌は関係者の話として次のようなものを紹介している。

「これはね、儲けを出そうという話じゃないんですよ。ヨーロッパの著作権法も1963年から先のレコーディングについては著作権の期限を50年から70年代に伸ばすと最近改正されているんです。でも、それ以前のものについては、リリースして使わない限り、著作権は失効するというルールになってるんですね。最初の50年のうちにリリースして作品化しないと印税がなにも入ってこなくなっちゃうんです」

また、今回の音源の今後の使い道についても次のようにほのめかしている。

「今回の音源を著作権として確定させた狙いは、将来的にいずれリリースしたいからです。ただ、ボブは最新作『テンペスト』をリリースしたばかりだから、そんな企画を今やるのはタイミング的に無理なんですよね。ただ、2013年以降やりたいこともあるということなんですね」

なお、今回リリースされた音源はネット・オークションですでに1000ドル(約9万円)もの値をつけているという。

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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