セックス・ピストルズの失われていた"ベルゼンの毒ガス室"のデモ音源が明らかに

セックス・ピストルズの失われていた"ベルゼンの毒ガス室"のデモ音源が明らかに

ザ・セックス・ピストルズのずっと失われていた"ベルゼンの毒ガス室"のデモ音源が発掘され、ネットで公開されている。

ドイツ・ナチスのユダヤ人収容所について歌ったこの曲はシド・ヴィシャスがセックス・ピストルズ加入前に書いた曲で、その後、ジョニー・ロットンの手も加えられた後で、1977年からピストルズのライヴでも披露されるようになったナンバーだった。しかし、これまでレコーディングとしてはライヴ・ヴァージョンか、ジョニーがピストルズを脱退した後に、ロニー・ビッグスをヴォーカルに立てて南米でレコーディングしたヴァージョンしか存在してこなかったことでも知られている。

今回のデモ音源はロンドンのデンマーク・ストリートにあったピストルズのリハーサル・ルームでレコーディングされたもので、ティアック社製の4トラック・レコーダーで録音したことをバンドのサウンド・エンジニアのジョン・"ブギー"・ティベリが回想している。

「ジョンが"ベルゼン"と真剣に取り組むことを思い立って、それでシドと歌詞に手を入れて、スティーヴ(・ジョーンズ)とポール(・クック)が音のアレンジを決めて、ぼくがデンマーク・ストリートの機材をセッティングして4トラックにレコーディングした音源なんだよ」

「わざわざ言う必要もないけど、このベースは一応シドなんだよ(他のオフィシャル・レコーディングではシドの演奏は下手過ぎてほとんど使われていない)。本当にでたらめなレコーディングで、モニターもなければ、防音設備なども皆無だったからね。バンドにとっては(『勝手にしやがれ』をレコーディングしていて)ちょっと抑圧的になってきていたウェセックス・サウンド・スタジオとは違う環境になってすごくいい息抜きになってたんじゃないのかな。(プロデューサーの)クリス・トーマスにこの音源を聴かせてみたら、ぼくの頭がおかしいんじゃないかって話になったし、特にヴォーカルのリヴァーブがかかりすぎてるのが意味わからないっていうことだったけど、それはジョンの指示だったからしょうがないんだよね(おそらくダブっぽくしたかったのが、うまくいかなかった)。でも、アイディアのスケッチとしてはいいレコーディングになったかなと思ったね」

なお、このトラックは10月31日にリリースされる『勝手にしやがれ』の再発のデラックス・エディションに収録される予定だという。その後、2008年以降の再結成ライヴでジョンはアメリカのイラク進攻を批判する歌詞に書き換えた"Baghdad Was A Blast"としてこの曲を披露してきている。

今回明らかになった"ベルゼンの毒ガス室"のデモ音源はこちらから→

"Baghdad Was A Blast"はこちらから→
http://www.youtube.com/watch?v=kyF8oad32KE&feature=player_embedded

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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