ブルース・スプリングスティーンのロンドンでのライヴの強硬終了措置が批判の的に

ブルース・スプリングスティーンのロンドンでのライヴの強硬終了措置が批判の的に - ブルース・スプリングスティーン 最新作『レッキング・ボール』ブルース・スプリングスティーン 最新作『レッキング・ボール』

先週末行われたハード・ロック・コーリング・フェスティヴァルに出演したブルース・スプリングスティーンのライヴが強制的に終わらされたことについて、興行主のライヴ・ネイションが批判に応えている。

ブルースは2日目7月14日のヘッドライナーを務め、出番の最後にはポール・マッカートニーが登場して共演ともなったが、会場となったハイド・パークの10時30分以降の演奏禁止という条例を守るためにセットがアンコールにいったん入った時点で音の電源が切られ、最後にブルースとポールが観客に向けて発したメッセージもまったく聞けない状態になってしまった。これにブルース率いるEストリート・バンドのリトル・スティーヴンことスティーヴ・ヴァン・ザントが反感を露わにして、ツイッターで何度も批判をぶち上げただけでなく、各方面からも「イギリス人として恥ずかしい」などといった批判も湧きあがった。

その一方でライヴ・ネイションのヨーロッパ代表のポール・ラサムはロンドンでも有数の高級住宅街を近隣に抱えるハイド・パークでは10時30分という時間制限を厳格に守るように当局とも合意しているのでいたしかたなかったと『ザ・ウォール・ストリート・ジャーナル』紙への投書で批判に応えている。

「過去1年の間、わたくしどもはロンドン市当局と公園を貸し出す部署といい意味での闘いを繰り返しながら、ハイド・パークでコンサートを上演し続けられるように努力も続けて来ました」とラサムは説明している。「今回の開催許可は、厳格な騒音規制と交通規制を順守するという約束の上で発効されたもので、少しでもこうした取り決めが守られなかった場合には将来的なイヴェントについてはいつでも許認可を取り上げられてしまうという危惧に脅かされてもいるのです」

「確かにパークレインやメイフェアの住人の数なんてたかが知れているといえるかもしれませんが、しかし、こうした住人は市議会や議会に生息する魑魅魍魎らに対して大きな影響力を持つ住民でもあるのです」

ラサムはさらに14日には騒音規制の10時30分を10分過ぎたところまで見過ごしたが、将来的な許認可のためにもそれ以上踏み込むことはできなかったとしている。「ブルースの出番が20分遅れたこと、それとイギリスの予想もつかない天候、それとブルースの一行がライヴにとてつもなく気持ちを込めてくれていたことなどがあわさって、これは条例とはぎりぎりのせめぎ合いになるだろうなとわたくしどもも早いうちに覚悟しました」。

「そこへポールが登場するというとてつもない変化球が土壇場で来て、時代に贈る音楽カクテルが出来上がったわけですが、条例との折り合いという意味では地獄のシナリオとなったわけです。とはいえ、やったとしても数曲だろうというのは読めますから、こちらも大目玉を食らう覚悟で10分くらいならと目をつむることにしたわけですが、実際にやった曲がビートルズのメドレーになったこと、そしてブルースがさらにギターを替えに行こうとした時点で、この音楽の歴史的な瞬間にて、将来また歴史を作るためにも、電源を切らせていただくことになりました」

その後Eストリート・バンドのスティーヴ・ヴァン・ザントはツイッターで「俺たちが音楽をやめなきゃならないほど大事なことがほかにあったってことなの? あと1曲やらせてもらえば、11時にはすっかり終わってたはずだよ。しかも、土曜日の夜だよ! 俺たちが迷惑をかけてたのって誰?」などと何度も問いかけた。

さらにロンドン市長のボリス・ジョンソンもこの措置を批判していて、ブルースとポールに演奏を続けさせるべきだったと7月16日に語り、「神の名のもとにジャムを続けよ」と宣まうべきだったと冗談として言い放っている。

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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