現在ヨーロッパ・ツアー中のジャック・ホワイトはデジタル音楽の問題やアナログ盤へのこだわりについて語っている。
BBCとのインタヴューに応えたジャックは「アナログにはロマンを感じる」としていて、無色透明なデジタル音楽は「なんか知らない存在に勝手に仕切られている」ような気分になってくると語っている。
自身で運営するサード・マン・レコードでもジャックは地元のアナログ・プレス工場を使ってアナログ盤のリリースを続けているが、アナログ盤が感じさせるロマンについてこう語っている。
「俺たちはアナログ盤のあの体験のすべてを、つまり、あのロマンスを追い求めてるんだよ。アナログ盤のあの匂いとかだよね、新品のレコードの封を開けた時のあの匂いさ。やっぱりなんかそういうのが起きないとさ、俺たちはロマンをどんどん失っていくもんなんだよ。だから、俺はiPodに対してなにかを歌うほどのロマンなんかまるで感じないから」
さらにジャックはこう続けている。「でも、なぜそうなのか。なぜかというとなにも起きてないからなんだよ。なんかデジタルやこういう無色透明なものは、なんか全然知らない存在がまるで違う場所ですべてを仕切ってるような気分にこっちをさせるんだよね。『目撃者としてこちらでつつましやかに見させていただきますから』とか抜かしながらって感じでさ」
さらにサード・マン・レコードのリリースのデザイン的な配色が黒と黄色と白が基調になっていることについても次のようにジャックは説明している。「イメージのためのイメージっていうのは好きじゃないんだよね。イメージはちゃんと意味のあるところから始まってないとだめなんだ。黄色と黒と白っていうのはね、ずっと昔に家具内装店で仕事をしていた頃の自分の道具にちなんだものなんだよ」。
もともとジャックは職人として弟子入りしていた家具内装店で初めてのバンドを組んだことで知られていて、その後は独立して自身の店を出すまで至っているが、その屋号がサード・マン・アップホルスタリーというもので、イメージ・カラーも黒と黄色だった。
また、ボナルー・フェスティヴァルに出演したレディオヘッドのトム・ヨークは"スーパーコライダー"をジャック・ホワイトに捧げ、次のようにオーディエンスに告げることでジャックとのコラボレーションの可能性をほのめかしてもいる。
「この曲はジャック・ホワイトに捧げます。ジャックには盛大にありがとうと言いたいけど、なぜかはまだ言えないんだ。いずれわかると思うよ」
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