ガービッジがRO69独占で新作を全曲解説
2012.05.08 13:00
5月16日に7年ぶりとなる新作『ノット・ユア・カインド・オブ・ピープル』をリリースするガービッジだが、全16曲もの楽曲を収録するアルバムの全曲解説をブッチ・ヴィグがRO69のために行なってくれた。
かつてのニュース(http://ro69.jp/news/detail/66805)で「バンドとして自分たちがどういう存在なのかということをしっかり受け入れて、ひたすらガービッジ的なレコードを作りたかったんだよ。ぼくたちはやりたいことをやるのが好きだからそうするまでの話だし、他人がそれについてどう思おうがそんなことは構ってらんないよ」と語っていたブッチ・ヴィグだが、新作の出来に興奮していることを語ってくれている。
以下がブッチ・ヴィグによる全曲解説。
1.Automatic Systematic Habit
最初はシンプルなエレクトロのグル―ヴを作って、それをどんどん大きくヘヴィーにしていったんだ。シャーリーのテンション=「Don't f**k with me!(なめないで!)」に対抗するようにどんどんジャムを膨らませてね。
2.Big Bright World
デビュー作をぶっ壊すようなイントロにしたかったんだ。結果、僕たちが今でも現役でやっていることを祝うような曲に仕上がったよ。
3.Blood For Poppies
ゴミみたいなエレクトロ・ファンクだよ。シャーリーはN.Y.タイムズに載っていたアフガニスタンの兵士に関する記事を読んで、それにインスパイアされて歌詞を書いたんだ。狂気に直面しても正気でいようっていう。
4.Control
アルバムの中で一番ヘビーな楽曲だよ。左肩にはエンジェルがいて、右肩にはデヴィルがいる。コインを投げて、さあどっちに転ぶ?ていう。
5.Not Your Kind of People
アルバム・タイトル曲はピンク・フロイド風のプログレ・ロックな曲さ。変人のように感じたってOKだし、無邪気でいることの楽しさに気付ける叙情歌さ。
6.Felt
シューゲイザーのヴィイブ感があって、マジー・スターっぽくもあり、ジーザス&メリー・チェインぽくもある曲だね。
7.I Hate Love
ストリングスのサンプルを使って作った曲だよ。愛を見つけてはその後痛い目に遭うという悲しい曲さ。
8.Sugar
アルバムの中で一番私的な曲だよ。とても独特の雰囲気があって、デヴィッド・リンチの映画サウンド・トラックを彷彿させるような曲なんだ。
9.Battle In Me
このアルバムで一番最初に書いた曲。この曲が頭で鳴ったとき、シャーリーがラスベガスでふらふらしていて、周りも気にせずおかしくなっている絵が浮かんだんだ。
10.Man On A Wire
たゆまないビートの中で、張りつめたようなエレクトリックなギターサウンドが鳴ってる感じさ。シャーリーなそのサウンドの中で彼女の悪霊たちと向き合っているっていう。
11.Beloved Freak
クラウス・ノミっていうオペラ歌手のサンプルを使ったんだ。彼はちょっとブッ飛んでいて、個性的で、変わっているから、そんな彼の側面を表現したような曲だよ。
12.The One
この曲のエレクトロなグル―ヴは、最初LCDサウンドシステムのトラックにインスパイアされて作ったんだ。でも、シャーリーがパティ・スミスみたいなサイコ感を歌詞に投げ込んできたから、当初の出来とはかなり違う仕上がりになったんだ。
13.What Girls Are Made Of
これはちょっとキュアーに影響を受けた曲かな。シャーリーのヴォーカルは彼女が初期に影響を受けたス―ジ―・スーやパティ・スミスを彷彿させるようなね。一発テイクだったから、生っぽくアグレッシヴな仕上がりになったよ。
14.Love Like Suicide
身を焦がすような恋に落ちて、でも終わりは悲惨。そんな感じの関係に陥ってしまったとしても、自分ではどうしようもできない、そういう曲。
15.Bright Tonight
スティーヴが購入したアコースティック・ギターでシンプルなリフを鳴らしながら作った曲。僕らが書いた曲の中で最も楽観的な曲のひとつだね。
16.Show Me
人の脆弱性について歌った曲だよ。誰かとリアルに繋がりたいのなら、自分の中にある壁を壊さなきゃいけないっていう。