ニール・ヤング、次世代デジタル・オーディオ・システムを開発中

ニール・ヤング、次世代デジタル・オーディオ・システムを開発中 - 6月リリースの新作『アメリカーナ』6月リリースの新作『アメリカーナ』

ニール・ヤングは現在MP3に代わる高音質音源ファイル方式の開発に力を入れていて、その商標として「トゥウェンティファースト・センチュリー・レコード・プレイヤー」など数種の名前をアメリカ特許商標登録庁に申請しているとローリング・ストーン誌が伝えている。

こうした商標名の説明には「音楽及び芸術的なパフォーマンスを提供するダウンロード及び小売販売サーヴィス」「インターネットからのダウンロードが可能な高音質音源」「音楽や映像を収録した高音質高解像ディスク」「オーディオ及び映像記録ファイル保存及び再生機器」などの記載が含まれていて、「トゥウェンティファースト・センチュリー・レコード・プレイヤー」「アース・ストレージ」「ストレージ・シェド」「サンクス・フォー・リスニング」「スタジオ・クォリティー・サウンド」などの商標案が申請されているという。なお、申請者の住所はニールのレーベルであるヴェイパー・レコードと同じ住所になっているとか。

もともとニールはかねてからMP3などの音質が音楽ファンにとって利益となっていないと厳しく指摘してきた経緯があるが、これ以外にもニールはポノという高音質オーディオ・システムの開発に乗り出しているとニールの伝記を刊行する予定の出版社ブルー・ライダー・プレスが明らかにしている。これはアーティストやプロデューサーがスタジオで音源を再生する時に味わうサウンド・クォリティに匹敵する高音質デジタル再生システムを開発するというプロジェクトで、ネット上のクラウドで音源を管理しつつ各家庭で再生を行うものだとか。これまで紹介されてきたどのような方式よりも高品質のサウンド・クォリティを手軽に楽しめるリスニング機器になるのだそうだ。こうしたシステムの普及の後、やがてはスタジオ・サウンド・クォリティの音源ファイルのダウンロード提供もできるようになるのだという。

特にニールは高音域と低音域を切り捨ててしまっている現在のMP3音源について手厳しく批判していて、「デジタルが悪くて劣っていると言いたいんじゃなくて、今の使われ方では音楽というアートの深みをきちんと伝えるのに充分なものにはなっていないと言いたいんだよ」と語っている。また、ニールによれば、平均的な1曲分の音源ファイルは、1曲分のアナログ・マスター音源と比較してデータ量がわずか5パーセントしかなく、こうしたマスター音源を1曲分ダウンロードした場合、ゆうに30分はかかるとも説明している。

また、ニールは生前のスティーヴ・ジョブスと会った時にもスタジオ・クォリティの音源のアルバムを30枚分取り込めるような携帯プレイヤーの開発の可能性について話し合ったそうだ。「スティーヴ・ジョブスはデジタル音楽を革命的に変えた男なんだよ。でも、自宅に帰ればアナログ盤を聴いてたんだ」とニールは語っている。「だから、スティーヴがもっと生きていたらいずれ俺がやろうとしていることをやってたはずだとしか思えないんだよな」
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