ディアハンターのブラッドフォード・コックス、30分越えの“マイ・シャローナ”の真意について語る

ディアハンターのブラッドフォード・コックス、30分越えの“マイ・シャローナ”の真意について語る - アトラス・サウンド2011年作『パララックス』アトラス・サウンド2011年作『パララックス』

3月2日にミネアポリスでソロ・プロジェクト、アトラス・サウンドとしてのライヴを行ったディアハンターのブラッドフォード・コックス。ライヴは昨年の『パララックス』収録曲を軸に据えたセットとなって、ブラッドフォードの驚異的なループ・テクニックによるギターの重層サウンドを聴かせることになったというが、ライヴの終盤ではウケを狙った観客からリクエストとしてザ・ナックの“マイ・シャローナ”という声がかかり、これにブラッドフォードは応じたどころか、30分を越える演奏をたたきつけたことでロック界随一の変人としての定評にさらに磨きをかけたとか。

特に“マイ・シャローナ”の演奏中にはオーディエンスに服を脱げとアジったり、さらには小さい会場だったため個別の座席が用意されていたのを観客に椅子を頭上に掲げて揺らしてみろなどと奇天烈な指示を飛ばし、会場側を恐怖のどん底に突き落としたことでも話題になったが、この辺の真意をブラッドフォードはピッチフォークに語っている。

「ディアハンターを始めて以来、ぼくがやってきたライヴの中でも最高のもののひとつだったと思うよ。今時誰も自分を気がふれたようなところまで追い込んだりはしないからね。そういうのを観て怖いって本気で思うんならね、そういう人は自分が日常的に垂れ流している凡庸さにもっと意識的になった方がいいと思うよ」

また“マイ・シャローナ”演奏中に椅子を持ち上げろと煽ったことについては、椅子を投げろとは一言も言わなかったのにそれを各所で非難されたのがわからないとしていて、実際、観客もブラッドフォードの指示通り、全員が「椅子を頭上で揺らしてから、きちんと元の場所に戻したんだからさ」と語っている。

その一方で「服を脱げ」発言についてはこう語っている。「あれは(“マイ・シャローナ”をリクエストして)ぼくのライヴに指図してライヴを自分にしか通じない関心事にしたやつに向けてのものだったんだよ。エゴがびんびんに膨らんだやつを去勢してやるための行いだったんだ。あの曲の名前をリクエストすることであいつはぼくにストリップをやれって言ったようなもんなんだからさ。洒落だったわけだけど、あいつのやってることはストリッパーの足元におひねりの1ドル札をばらまいてさあ拾ってみろっていうことなんだから。だから、ぼくはちょっと立場を逆転させてみようかって言ってみたわけなんだよ。ステージに来てみろよ。おれを楽しませてみろよってね」。

さらに自分のステージがこれほどニュースとして騒がれたことへの苛立ちを次のように語っている。「ぼくなんてどうでもいい、ただのちんけなパンク野郎でしかないんだからさ。ラナ・デル・レイがほっぺたに逆さまの十字架のタトゥーを入れてボナルー・フェスティヴァルのステージのど真ん中で脱糞しまくったっていう話じゃないんだからさ」。
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする