U2のマネージャーのポール・マッギネスは音源ストリーミング・サイトのスポティファイについて、アーティストがスポティファイにはまったく収益的なメリットがないと思い込んでいるため、しっかり活用していないと語っている。
フランスで開催される国際的な音楽産業見本市であるMIDEMに出席したマッギネスはストリーミング・サーヴィスは究極的には「いいツール」だとしながらも、アーティストにはまだ「プロモーション・ツール」として見られていて、ビジネス・チャンスだとは目されていないと語っている。
「スポティファイについてはまだアーティストがその収益的なメリットに気づかされていないため、アーティストらに重宝されるのはこの先のことになるでしょう。これは部分的にはレーベルも悪いところがあって、レーベルはスポティファイに部分的に出資しているはずなのに、そこの透明性が欠けているのです」
さらにマッギネスはこう続けている。「スポティファイというモデルが将来的に成長が見込めない理由は少しもありません。本質的には誠実なサーヴィスなので、もっと奨励されてしかるべきです。個人的にはあらゆる局面で導入されてほしいサーヴィスですね」。
その一方でグーグルに対しては違法ダウンロード対策が手ぬるすぎると厳しく批判している。「もっと誠実な態度で未来の問題を解決しようとしないのはどうしてでしょうか。究極的にいうとグーグルにとって、コンテンツの流出が利益に繋がっているところがあるからですね。しかし、今後は課金されていない限りそれはさせません」。
「人々が報酬を受けるという意味でいくらかの改善がデジタル環境ではみられるようになりましたが、いまだに大多数のコンテンツは正当な報酬を受けずに流出しています。これは個人的な見解では、まったくもって、誤った事態です」
なお、ヨーロッパとアメリカで運営を展開しているスポティファイは1月27日に利用者が300万人を越えたことを発表している。さらにここ1年で有料ユーザーの数が飛躍的に伸びていて、2011年3月には全ユーザーの5パーセントを示していたのが現在では20%を記録している。
その一方で、ナップスターが1500万曲用意して新しくストリーミング・サイトとして営業をヨーロッパで再開するため、しばらく競合が続くものと思われる。
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