英フェイスブックでニルヴァーナを「クリスマスに1位にするキャンペーン」勃発

英フェイスブックでニルヴァーナを「クリスマスに1位にするキャンペーン」勃発 - 1991年作『ネヴァーマインド』1991年作『ネヴァーマインド』

イギリスではここ数年、テレビの人気オーディション番組『Xファクター』のその年の主だった出演者のデビュー・シングルをクリスマス・シーズンにリリースし、そのシングルがチャート1位を飾るのが恒例となっているが、イギリスのフェイスブックではこの『Xファクター』シングルに対抗して、ニルヴァーナの“スメルズ・ライク・ティーン・スピリット”をクリスマスの週に有志でダウンロード購入して1位にするというキャンペーンが張られている。

キャンペーンは「Nirvana for Christmas No.1」というページとしてすでに1万5千人以上の参加者を集めているが、今回のキャンペーンの趣旨は今年の『Xファクター』クリスマス・シングルのグループ名にもからんだものになっているとか。

今年の『Xファクター』のクリスマス・シングルにはリズミックスという、ソロ・アーティストとして番組に応募した女性4人を集めてグループにしたユニットのものが予定されているが、そもそもこのグループ名が若者の支援のために音楽を援用しているチャリティ団体名として登録されていることがその後判明。団体側は番組にクレームをつけたが、『Xファクター』がそのまま無視を決め込んだことで団体としては訴訟に訴えるしかなくなったが、ただでさえ寄付金を切り詰めて団体を運営しているのに訴訟を起こすのは相当な負担になると団体関係者が語っていて、今回の「“スメルズ・ライク・ティーン・スピリット”を1位にキャンペーン」はこうした番組側の態度を糾弾するものとして呼びかけられている。

チャリティ団体リズミックスの地域担当局長のラス・グルームスは「『Xファクター』側にこちらの希望を聞き入れてもらえてないんですよ」とロックニュースデスクに語っている。「あちら側に名前を変えていただいた方が簡単だし、筋だとも思うんですけど。どうしてできないのかも、こちらにはわかりませんよ」。

「おかげでこうしてお金のかかる法廷闘争になってしまって、それで若い人たちのために本来使うべき大切な資金を法廷費用に回さなければならなくなってしまったんです。団体としては確かに小さいですけれども、世間的にも高い評価をいただいているチャリティ団体であるわたしたちの団体名を自分たちのバンドに使わせようと、わざわざ法的な抜け道がないものかと試してみるという、そういうことをやる神経がわたしたちにはよくわかりませんよ」

一方、「Nirvana for Christmas No.1」のページでは次のようにキャンペーンの趣旨が説明されている。「今年の『Xファクター』は子供向けのチャリティ団体へのいじめを決め込んだようだ。そんな『Xファクター』にファック・ユー。今年はみんなでニルヴァーナの名曲“スメルズ・ライク・ティーン・スピリット”をダウンロードして、あんたらに中指を突き立ててみせることにするから。話に乗る人いる?」

グルームスは今回のキャンペーンに感動したと語っていて、“スメルズ・ライク・ティーン・スピリット”が1位になったら「本当に嬉しい」と述べている。

2009年にも同じようなキャンペーンが張られ、『Xファクター』の優勝者ジョー・マックエルデリーのクリスマス・シングル“The Climb”に対抗してレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの“キリング・イン・ザ・ネイム”の組織的なダウンロード購買が行われ、見事その週の1位に輝いた。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンはその後、このキャンペーンを「非常に不毛なポップ寡占市場」に対する勝利だと語った。

「Nirvana for Christmas No.1」のフェイスブック・ページはこちらから→
http://www.facebook.com/nirvanaforno1?sk=app_153284594738391&app_data=dlt


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