R.E.M.のマイク・ミルズ、解散の経緯を語る

R.E.M.のマイク・ミルズ、解散の経緯を語る - 2011年作 『コラプス・イントゥ・ナウ』2011年作 『コラプス・イントゥ・ナウ』

9月21日にあまりにも突然のバンド解散を発表したR.E.M.だが、ベースのマイク・ミルズは解散の心境について「ものすごく大きな悲しみもあるけれども、本当に祝祭的な意味合いもまたあるんだよ」とローリング・ストーン誌に語っている。

マイクは悲しいのはもう2度とピーター・バックとマイケル・スタイプと一緒にステージに立つことはないと思うからだと説明しているが、ただ、3人はあくまでも前向きな理由から今回の解散を決心しただけに、これまで経験してきた楽しいことや喜び、これまで享受してきたとんでもない機会などを思い出すのに終始してしまうとも語っている。

「解散しなきゃならないからするんじゃないし、お互いのことが我慢がならないとか、ぼくたち自身がバンドとしてカスになったとか、そういうことじゃないからね。ぼくたちはすごく満足してるんだよ。そして、ひととおりやり終えたんだ」

そもそもいつくらいから解散について考え始めたのかについてマイクは、2008年のツアーでも話し合ったし、最新作『コラプス・イントゥ・ナウ』の制作時にも話し合われたことだったと語っているが、基本的に『コラプス・イントゥ・ナウ』を満足できる形で完成させたことが決心させた理由となったとマイクは説明している。

解散について考えるきっかけとなっていたのはワーナーとの契約の終了が迫っていたことで、以前からもそういう会話になることは多かったとマイクは語っている。つまり、契約ではあとX枚アルバムが残っているけれども、それを終えると、みんなもX歳くらいにはなる、それでもまだ身体に鞭打ってやるつもりなのかと話し合ってはいたのだとか。ただ、皮肉にもバンドにとって2004年の『アラウンド・ザ・サン』が不本意な出来になってしまったため、これが逆にしばらくは活動を続けるモチヴェーションになってしまったという。

「ぼくたちとしては、ファンや評論家に対してだけでなく、自分たち自身に対しても、自分たちにはまだまだすごいレコードが作れると証明しなくちゃならなくなったんだよ。そうやってぼくたちはそんなアルバムを2枚も(『アクセラレイト』と『コラプス・イントゥ・ナウ』)作ったわけだよ。それで思ったわけだよ、『やったぞ。じゃあ、これからはほかのどんなバンドもやったことのないことをやってみせようよ。握手して、友達としてここをあとにするんだ』ってね」

『コラプス・イントゥ・ナウ』リリース後にツアーを組まなかったのも、すでに解散の心づもりができていたからだとのことだ。その後、バンドはマイクが解散宣言でも語っていたとおり、全キャリアを振り返るコンピレーションの編集のために集合し、さらに新曲を3曲レコーディングしたが、このうちの2曲はもともと『コラプス・イントゥ・ナウ』のデモとして書いた“Hallelujah”“A Month of Saturdays”という作品で、3曲目は今回の解散を暗示するようなタイトルの“We All Go Back to Where We Belong”という作品。“We All Go Back to Where We Belong”は10月18日にシングルとしてリリースされる予定だ。ただ、マイクは『コラプス・イントゥ・ナウ』の時点でもすでに解散は暗示されていて、歌詞的には“All the Best”などがそのいい例だと説明している。

コンピ盤の方は『R.E.M., Part Lies, Part Heart, Part Truth, Part Garbage 1982- 2011』というタイトルで11月15日にリリースされる。

バンドにとって最大の達成はなんだったと思うかとの問いにマイクはこう答えている。

「出来る限りの誠実さを持って自分たちの手だけでやってきたということだね。自分の考えているとおりに自分たちの活動をすべて仕切って、それでも成功できるとぼくたちは証明できたと思うよ。それにさ、実際問題としてね、その方が心配事が少なくて気分もいいし、夜もぐっすり眠れるんだよ」
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