ファクトリー・レコードの故トニー・ウィルソンの墓石をピーター・サヴィルがデザイン

80年代、90年代のマンチェスター・シーンを牽引したファクトリー・レコードだが、その設立者トニー・ウィルソンの墓石をファクトリー専属のデザイナーとして活躍したピーター・サヴィルがデザインしていたことが明らかになった。

ピーターはパティ・スミスのコンサートでトニー・ウィルソンと出会ったといわれていて、その後、トニーがファクトリー・レコードを設立すると、最初のポスターのデザインをトニーに依頼され、以後、ファクトリーの数々のリリースや関連商品のデザインを手がけることになり、やがては共同経営者にもなった。

墓石は黒色の花崗岩から作られていて、ピーターとかつての同僚のベン・ケリーとでデザインしたもので、マンチェスターのチョールトン・カム・ハーディにあるサザン霊園に安置されているとクリエイティヴ・レヴュー誌が伝えている。

トニーは長くがんとの闘病を続けた後に07年に心臓発作で亡くなった。80年代からはテレビで活躍したこともあって、墓誌には「テレビ司会者・カルチャーにおける変化の提起者」と標されている。また、墓碑銘にはトニーの家族が選んだという、19世紀に活躍したマンチェスターの作家、イザベラ・ヴァーリー・バンクスの1876年の小説『マンチェスター・マン』からの抜粋が標されている。

「変異の可能性こそが世界の墓碑銘となる/変化のみでは変化は変化とはならず/人は人生という歴史から抜け落ちてやがては土の歴史へと埋もれていく/しかしながら、人の業績とその影響は生き続ける」

ピーターとベンがデザインを手がけてきたファクトリーのあらゆる関連商品にはファクトリーの通しカタログ番号が記されているのがひとつの特徴なのだが、この墓石にファクトリーのカタログ番号は記されていない。ファクトリーの最後のカタログ番号は、トニーの棺に刻印された「FAC501」となった。

今回の墓石のデザインにはピーターとベンのほかにもポール・バーンズやマット・ロバートソンなど、ファクトリーとゆかりのあるデザイナーが関わったという。

ピーターによるトニーの墓石の画像はこちらから(→http://www.creativereview.co.uk/cr-blog/2010/october/peter-saville-anthony-wilson-headstone

(c) NME.COM / IPC Media 2010
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