MGMTのアンドリュー、行き過ぎた報道のイギリス・メディアをあしらう

MGMTのアンドリュー、行き過ぎた報道のイギリス・メディアをあしらう

MGMTは“タイム・トゥ・プリテンド”や“キッズ”など大ヒット・シングルをリリースしてきたとはいえ、決してメインストリーム・バンドになるつもりなどなかったことを明らかにしている。

MGMTはセカンド『コングラチュレイションズ』ではテレヴィジョン・パーソナリティーズらの影響を汲んでより実験的な作風へと傾倒したが、それ以前の作品が成功したせいで「エレクトロ・ポップ」や「ダンスもの」として決めつけられるようになっていたことに、位心地の悪さを覚えていたとNMEに語っている。

「ぼくたちにメインストリーム・バンドになろうという純粋な意志があったのかと言ったら、そうじゃないと思うんだよ」とアンドリュー・ヴァンウィンガーデンは説明する。「でも、みんながぼくたちのことをエレクトロ・ポップ・ダンス・ユニットだと考えていることにだんだんぼくたちも気づいたんだよね。とりあえず、ぼくたちはそういうものではないからさ」。

さらにアンドリューは『コングラチュレイションズ』の次回作としてもっと聴きやすい作品を制作することをレーベルから強いられるだろうと語っているが、その一方で、ここ数週間自分が聴いているのは「初期のミニマリズム的なデトロイト・テクノだ」と語っている。

しかし、レーベルのコロンビア・レコードから次回作の方向性をめぐって圧力をかけられているという、特にイギリスにおける報道に関しては事実ではないということをアンドリュー自らピッチフォークにメールで書いてきたという。たとえば、そのメールでアンドリューはコロンビアとの関係などについては次のように説明している。

「レーベルがぼくたちにこれからなんの自由も与えなさそうだ事件については、そもそもぼくたち自身が新しいアルバムの制作を始めるというところにさえ全然至ってないし、ぼくたちとレーベルの関係もかなり友好的です。ぼくたちは『コングラチュレイションズ』や新しいビデオについて誇りを感じているし、これからもコロンビアでもっと音楽を制作していきたいと考えていて、おかげさまで(ほぼ完売の)世界ツアーも順調に運んでいます。訊いてくれてありがとう。とりあえず読んだものをすべて鵜呑みにするのはやめよう(たとえピッチフォークでも)。インタビューでむかっ腹を立ててでまかせを言っちゃうのは、あまりいい考えではなかったね」

要は、あまりにもしつこく「レーベルから自由にやらせてもらえなくなるのでは」と訊かれ続け、「はい、はい、そうですよ」と洒落で答えたところをそのままマジな発言として報道されてしまったというところだろう。

また、26日にマンチェスターで行われたライブでドラムのウィル・バーマンが客席から小便の入ったカップを投げつけられて怒りのあまりステージを後にしたという報道についても、アンドリューはこれがただのビールでウィルはビールを乾かしに行っただけだと説明している。

「MGMTにとってこれまでで最も人気の高い曲である“キッズ”の演奏を始めたところで投げ込まれたのは、祝福の気持から投げられたマンチェスター・エール入りのカップであって、尿ではありません。そのカップはステージに向かって投げられ、現在、世界最高峰にあるドラマー、ウィリアム・バーマンの腿の上に落ちていきました。ビール入りのカップを投げつけるのは、尿入りの瓶を投げつけるのとは反対に、マンチェスターでは愛情のサインだと言われています。なので、マンチェスターのみなさん、ありがとう」。

さらにその後の経緯についてはこう説明する。「ウィルは服を拭くか乾かすためにステージを後にして、それでバンドは現在スマッシュ・ヒット中のシングル“コングラチュレイションズ”のパーカッション抜きバージョンで演奏しました。その後、全員ステージに戻って全力のアンコール演奏を提供しました」。

アンドリューはこうしたイギリスのプレスのでたらめ報道ぶりを「1666年に施行された悪辣イギリス・ジャーナリズム自由法のせいだ」と説明しているが、もちろん、この法律自体、アンドリューが思いついたでたらめで本当は存在しません。
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