U2のマネージャーが「プロバイダ各社は違法ダウンロードを規制せよ」と主張

U2のマネージャーが「プロバイダ各社は違法ダウンロードを規制せよ」と主張 - 1983年作 『WAR(闘)』1983年作 『WAR(闘)』

U2のマネージャーのポール・マッギネスはインターネット・プロバイダ会社を音楽の違法ダウンロードを積極的に防止していないと批判している。

マッギネスはこうしたプロバイダのネットワークを使ってファイルを違法に共有しているユーザーに対してなんかしらの手段を講じるように要求している。

「ぼくとしてはプロバイダはみんな、音楽業界や映画業界の権利を積極的に守るつもりがないんだなと、そう確信するに至っている」とマッギネスはGQ誌に寄稿している。「(違法ダウンロードについては)行政という手段を通して図らなければならない措置もあるということだ。フランスのサルコジ大統領はフランスでの違法ダウンロードを規制するためにプロバイダが措置を図らなければならないという法律を初めて通した指導者となったわけで、サルコジ大統領はよくこの点を理解していたわけだ」。

「イギリスでも主だった政党にはこのことを理解してもらえているように思う。特にデジタル経済法という違法ダウンロード防止法が4月に導入されたことにより、イギリスとフランスは瀕死の状態にある音楽業界を立て直すためには世界有数の法的な環境が整ったと言えるのだ」

また、デジタル経済法によりプロバイダ各社は違反ダウンロードを行っているユーザーに対して「段階的警告」を発するように義務付けられているが、マッギネスはこれこそがこの問題と対処していくのに前向きな方法だとしていて、「数10万規模の個人ユーザーを訴訟に追い込むというえげつないやり方よりはよっぽどましな手段だ」としている。ただ、この「段階的警告」は最終的にはユーザーのアカウントを抹消することも義務化されているので、BTやトーク・トークなどイギリスの大手プロバイダらはかねてからこの新法に反対してきた。

また、07年のレディオヘッドの『イン・レインボウズ』の値段の自己申告制によるダウンロード・リリースについては、ただ裏目に出ただけだと断じたマッギネスは、ヨーロッパでストリーミング・サービスを展開するスポッティファイのようなサイトこそが将来性を感じさせるとしている。それはユーザーや広告主から集金することを実施するだけでなく、その収益をアーティスト、レーベル、版権管理会社へと配分しているからだという。

「スポッティファイのようなサービスはいずれ世帯ごとに購買されるようになるはずで、そうでなければ、ブリティッシュ・スカイ放送やヴァージン・メディアのような衛星やケーブル放送会社系のプロバイダからのセット商品の一部として買われていくことになるだろう」とマッギネスは自身の考える将来像について語っている。「ただ、相当なユーザーがさらに高付加価値なパッケージや商品へと手を出していくはずで、たとえば、新しいリリース作品へのさらなる早いアクセスを求めていくことになるだろう」。

(c) NME.COM / IPC Media 2010
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