ヴァンパイア・ウィークエンド『コントラ』ジャケ写のモデル女性、「娘にみせられて初めて使用を知った」

ヴァンパイア・ウィークエンド『コントラ』ジャケ写のモデル女性、「娘にみせられて初めて使用を知った」 - 2010年作 『コントラ』2010年作 『コントラ』

ヴァンパイア・ウィークエンドのセカンド・アルバム『コントラ』のジャケット写真の女性モデルが写真の使用をめぐってバンドと写真家を訴えている件で、モデルの女性は、写真がどうやってバンドの目にとまったのかわからないと語っていて、写真を使われていることを知ったのも自分の娘がそれをみつけてからだったという。

モデル女性のアン・カースティン・ケニスはバンドと写真家のトッド・ブロディを200万ドル(約1億8千万円)の賠償を求めて訴えていて、ブロディがバンドに渡したとしている写真の使用承諾書のケニスの署名は偽造されたものだと主張している。

ケニスの弁護士のアラン・ネイアーはエンタテイメント・ウィークリー誌に「写真は家族によるスナップショットの類です」と説明している。「これはポラロイドで、モデルとして撮った写真ではないんですね。ケニスさんの母親は常習的にポラロイド写真を撮り続けていた人で、膨大にたまったアーカイヴを店に売り払ったりもしていたんですよ。100枚で5ドルとか、それくらいで。あるいはチャリティ・バザーで何百枚単位で売り払ったのかもしれませんね。とにかく、わからないんです。ケニスさんとしてはどうやってあの写真が写真家の手に渡ったのか、わからないんですよ」。

ネイアーによれば、今はコネティカット州に住むケニスは自身の写真がアルバム・ジャケットの表紙になっていることを娘がこのCDを持って帰宅した時に初めて知ったという。

「娘さんがある日家に帰ってきて、『ママ、ママの写真見る?』って言われたそうなんですね」とネイアーは説明する。

しかし、この写真をバンドに提供したブロディは、こうした説明や自分が写真を撮っていないというケニスの主張に反論している。

「ぼくが写真を撮っていないというケニスさんの主張は図々しいほどまでの嘘ですよ」とブロディはエンタテイメント・ウィークリー誌に語っている。「ぼくはこの写真を1983年に撮ったんです。その間、26年間ずっとこの写真をぼくが持っていたんです。ジャケットに使うのにヴァンパイア・ウィークエンドに譲るまではね」。

一方、バンド側はNMEに今回の騒動は「フラストレーションがたまる」と発言しているが、ボーカルのエズラ・クーニグは法的な手続きなど詳細については語れないとしていた。

「だから、今話せることはなにもないんだ。別にだんまりを決めこんで煙に巻こうとしているとかそういうことじゃないんだよ。数ヶ月くらいしたら、いろいろ話せることもたくさんあると思う。でも、初めてのことだから、今はしっかりきちんと対応しておきたいんだ」とエズラは語っていた。

また、バンドのレーベルであるXLレコーディングは次のような声明を発表している。「ヴァンパイア・ウィークエンドとXLレコーディングは、『コントラ』のジャケット写真の権利などを含めたライセンス契約に従って、『コントラ』のジャケット写真として使用する認可を得ています」。

「今回は訴訟という形になりましたので、当方としましては法廷に委ねることで問題の解決に当たりたい所存です。訴えを吟味したうえで、当方も法廷で対応していく次第です。当方の方針としましては、かかる係争についてはこれ以上のコメントは差し控えさせていただきます」。

その後、ケニスの弁護士ネイアーはポラロイド写真をケニスの母親が撮っていたかもしれないというのは飽くまでも推測で、実際には誰が撮影したのかはわからないと発言を訂正している。

(c) NME.COM / IPC Media 2010
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