ボノが考える「これからの10年を面白くする10のアイディア」

U2のボノが「これからの10年を面白く、健康的で、市民的なものにする10のアイディア」について書いたコラムをニューヨーク・タイムズ紙で発表した。

コラムの中では、「性的対象としての車の復権」や「発展途上国の人々に先進国の人々と同じだけの『環境汚染権』を与え、汚染しなかった分を換金すること」、「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の起源を祝うアート・フェスを開催すること」などのアイディアを挙げているボノ。「民衆の力と逆さまのピラミッド」と題されたアイディアでは次のように書いている。

「前世紀では、権力や影響力(それが教会であれ、国であれ、会社であれ)はピラミッドの頂点に集中し、そこから下に向かって圧力がかけられていた。だが今世紀は、特に一部の途上国において、このピラミッドはひっくり返されようとしている。ピラミッドの底辺で作られるべき利益について多くのことが書かれ、政治的権力のことについてはほとんど話題に上らない。徐々に大衆が頂点に立ち始め、携帯電話・ウェブ・市民社会の重要性と、こうしたテクノロジーによって推進される民主主義が、伝統的に権力を握ってきた人々にも感じられるようになりつつある」

また、インターネットの発達によってこの10年を通じて音楽産業をおびやかしてきた知的所有権の問題について書いた部分では、ボノは映像産業に対して警告を発している。

「音楽や新聞のビジネスに降りかかった災難から映画・テレビ業界を守っているのは、ファイルのサイズ(が大きいこと)だけなんだ」とボノは書いている。「一定の速度で増大してきている回線容量のことを考えれば、僕らがTVシリーズ『24』の全シーズンをダウンロードするのに24秒しかかからない時代が来るのもほんの数年後のことだろう。多くの人々はそれを無料で手に入れようとするだろう」

「まあ映画界の権力者たちはミュージシャンや音楽界の権力者たちがこれまで失敗してきたことをうまく処理するだろうし、アメリカを再編成してこの世界一クリエイティブな経済を固守するだろうけれど。なにしろそこでは音楽、映画、テレビ、テレビゲームが国内総生産の4パーセントを占めているわけだから」

このコラムは現在ニューヨーク・タイムズのオフィシャル・サイトで読むことが可能(下記リンク参照)。
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