スフィアン「50州アルバムはジョーク」

2003年に『ミシガン』、2005年に『イリノイ』とこれまでアメリカ各州にまつわるコンセプト・アルバムをリリースしてきたスフィアン・スティーヴンスが、50州全てについてのアルバムを出すというアイディアが最近では月並みに思えてきており、一種のジョークだったようにさえ思えると語っている。

「前提自体がほんとジョークみたいなものだったし、たぶん僕はそれをシリアスに捉えすぎたんだと思う」と彼はPaste誌に話している。「だんだん自分がクリシェ的な存在になっているみたいに感じるようになった」

10月21日にはニューヨークのブルックリンとクイーンズを結ぶハイウェイ「ブルックリン・クイーンズ・エクスプレスウェイ(BQE)」をテーマとした映像つきのマルチメディア・プロジェクト作品『BQE』をリリースしたスフィアン。この作品によって、創作への意志もあらかた殺がれてしまったのだという。「正直に言うけど、あれは僕のクリエイティヴな推進力を全くのところ破壊してしまったんだ。『イリノイ』ではそんなことはなかった。あの作品(『BQE』)の後、僕は創造性の実存的危機とでも言えそうな状態に陥った。曲というのが何なのか、アルバムをどう作ればいいのか、分からなくなったんだ。ある意味自分の枠を拡大しすぎて、普通の曲に戻る道を見失ってしまったんだと思う」

スフィアンはアルバムという形式にはもう興味がないのだという。「なぜみんながただダウンロードしてしまうような時代に人々はアルバムを作り続けているんだろう? なぜそれぞれの曲は3分だったり4分だったりして、アルバムは40分なんだろう? そういうのはレコードやCDに端を発したものであって、それらの形式も今は時代遅れになってしまったよね。アルバムが永久に続いたり、5分だったりしてはいけないんだろうか? 僕にはもうアルバムに対する信念はない。僕にはもう曲に対する信念もない」

(c) NME.COM / IPC Media 2008/2009
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