痛切な歌をエレクトロで包み込んだ「救済」の行方とは? 世界の「再生」を祈るスフィアン・スティーヴンスの現在地

痛切な歌をエレクトロで包み込んだ「救済」の行方とは? 世界の「再生」を祈るスフィアン・スティーヴンスの現在地 - 『rockin'on』2020年12月号『rockin'on』2020年12月号

「今回僕が対峙したのは、もう僕の問題ではなかった。世界的な問題だったんだ」


スフィアン・スティーヴンスが最新作『ジ・アセンション』(=キリストの昇天)からファースト・シングル“America”を独立記念日の前日に発売。しかも、世の中はコロナ禍にしてアメリカ大統領選挙直前の世紀末的な瞬間という時点で彼の今作へのただならぬ思いを感じる。

過去にはアメリカの闇や崩壊、自身の傷を、幻想や理想主義とともに描き我々の魂を牽引し癒してきた。が、今作ではアメリカや人間性の堕落に絶望している。

エレクトロにダンス・ビートでスピリチュアルな真実や希望を見出そうとしているが、『イリノイ』で《みんなでバンを借りニューヨークまで走った》彼は、《すべてにさよなら》と一人でニューヨークを去る結論を出している。それが「昇天」で再生すると言っている。そして、《what now?》(ここからどうする?)と我々にも突きつけてくるのだ。

以下に続く記事で、アメリカへの怒りを叩き付けたとも言える今作が誕生した背景を打ち明けている。(中村明美)



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