欅坂46・平手友梨奈が初出演＆主演を務める映画『響 -HIBIKI-』が、9月14日（金）より全国の劇場で公開される。

映画『響 -HIBIKI-』予告

同映画の原作は「マンガ大賞2017」で大賞を受賞した柳本光晴の漫画『響 ～小説家になる方法〜』。平手演じる出版不況の文学界に現れた天才少女・鮎喰響の才能を軸に、周囲の人々の心の葛藤や人間ドラマが描かれたストーリーとなっている。原作をすでに読んでいる人ならご存知の通り、「響」はかなり強烈な少女だ。世間の常識に囚われず、自分を絶対に曲げず、時には暴力的な手段に出ることもある。しかし響の言葉や行動には一貫した「彼女なりの正義」が存在していて、その振る舞いに読者はハラハラさせられながらも、憧れの感情を持たずには居られないのだ。

そんな大変な役柄にも関わらず、平手は見事に響を演じきった。というよりも、スクリーンの中に居たのは完全に「響そのもの」だった。原作者は映画化の話が出る前から「響を実写化するなら平手さん」と考えていたそうだが、監督を務めた月川翔も「平手友梨奈は響で居ることの方が自然体に見えるほどで、驚きの速度で成長し、あっという間に魅了されてしまった」と絶賛。さらに先月末に行われた完成披露試写会では、共演者がこぞって「響と平手は似ている」と語っていた。

「響」と「平手友梨奈」という2人の少女が似ていると言われるのは何故なのか？ 両者のシンクロするポイントを挙げつつ、考察していきたい。

① 10代で鮮烈なデビュー＆圧倒的な存在感

響は15歳という若さで処女作『お伽の庭』を書き上げ、文学界デビューを果たす。彼女の書く小説は誰が読んでも絶対的な才能を感じさせるもので、日本を代表する文学賞である直木賞＆芥川賞のWノミネートという歴史的快挙まで達成してしまう。

一方、平手はそれよりも若い14歳の時に欅坂46の「最年少センター」に大抜擢。1stシングル『サイレントマジョリティー』でデビューを果たし、従来のアイドル像からかけ離れた楽曲・パフォーマンスがアイドル界のみならず、音楽業界全体に強烈な衝撃を与えた。特に平手の圧倒的な存在感はデビュー当初から注目を集め、以来、不動のセンターとしてグループの中心に立ち続けている。ちなみに『サイレントマジョリティー』は、女性アーティストのデビューシングル初週売上で歴代最高記録を更新した。

② 媚びない・曲げない・屈しない

響は基本的にクールな表情をしていることが多い。そして、どんな相手に対しても臆せず、思ったことを正直に言葉にして伝える。デビュー当初「笑わないアイドル」と言われていた欅坂46もまた、媚びとは無縁のグループであり、“サイレントマジョリティー”、“不協和音”、“エキセントリック”といった反骨精神が滲む楽曲を有する。正直すぎる言葉は時に、過ぎていく時間の中でいつのまにか自分を誤魔化す術を身に付けてしまった人への攻撃にもなり得るし、何かを気付かせるきっかけにもなる。

また、原作にある響がゴスロリチックな装いをする場面は、映画化にあたり本来カットされる予定だったが、平手が監督に直訴して入れることになったという。そういったエピソードからも、欅坂46の本質と平手のどんな相手にも自分の意見をしっかり伝える姿勢は、響の性格に重なる部分がある。

③ 鋭いまなざし

響の特徴の1つでもある鋭いまなざし。心の中を見透かしてしまいそうなほど真っすぐなそのまなざしは、映画の中でも完全再現されている。再現というより、平手がパフォーマンス時に見せるあの観る者を惹きつける眼光が、そのまま響の役柄として反映されていると言った方が正しいかもしれない。その迫力はスクリーン越しでも思わずゾクッとしてしまうほどだった。

④ 高い身体能力

地味で華奢な外観からは想像がつかないほど喧嘩が強い響。原作では、女子高生とは思えない攻撃力の高い蹴りを繰り出す場面があるが、それは映画でも忠実に、むしろそれ以上の迫力で映し出されている。平手といえば全身を使ったダイナミックなダンスも魅力であるが、映画のアクションシーンはまさに“ガラスを割れ!”の平手のソロダンスを彷彿とさせるものだった。

⑤ 女子高生らしい可愛らしさ

もし原作を知らない人がこの記事を読んでいたら、響という少女に怖いイメージを持ってしまうかもしれない。しかし当然、彼女は15歳の女子高生らしさも持ち合わせている。響が動物園でアルパカを抱きしめて「へへー」と笑うシーンが原作にあるが、映画でも動物園のシーンで平手の可愛らしさが爆発している。平手と言えば『ガラスを割れ!』のType-Cに収録されている「自撮りTV」の中で、大好きなカワウソと対面した際に見せた無邪気な姿が話題になったが、この時のような満面の笑みをスクリーンでも観ることが出来る。（渡邉満理奈）

●映画情報
『響 –HIBIKI-』
9月14日（金）全国東宝系にて公開
監督：月川翔
脚本：西田征史
出演：平手友梨奈　アヤカ・ウィルソン　柳楽優弥・小栗旬／北川景子
©2018映画「響 -HIBIKI-」製作委員会　©柳本光晴／小学館

映画『響 -HIBIKI-』公式サイト