ストリーミングの登場によりALのリリース数が大きく増加。作品数は60年代と比べて7倍に

「The Wall Street Journal」によると、音楽業界ではストリーミング・サービスの影響により、これまでにない頻度でリリースが続いているのだという。

この事実を報じたのは同紙に記事を掲載したジャーナリストのNeil Shahで、現在世界的にリリースされている音楽の作品数は1960年代と比べて7倍に増加しており、それも昨今の音楽の聴かれ方の変化に起因するのだという。

Neil Shahは「売上が1回きりに限られているフィジカルのCDやダウンロードと違って、ストリーミングは再生される度に印税が発生する。ここに大手レーベルは注目し、アーティストのカタログや昔の作品の再発を打ち出していて、各社でそのシェアを争っている」と指摘している。

さらにこのことによりアーティストが多作になっているとも触れていて、例としてオーストラリアのサイケデリック・ロック・バンドのキング・ギザード&ザ・リザード・ウィザードは2017年だけでアルバムを5枚リリースしていると紹介。2010年に結成してから、すでにアルバムを計13枚リリースしている事実を挙げている。

一方でこの傾向はヒップホップにも強く表れているといい、SoundCloudでのヒップホップ楽曲のアップロード数は2018年1月の前年比で30パーセント増加しているという。

また、ヒップホップ・グループのブロックハンプトンは昨年だけでアルバムを3枚リリースしている他、ヒップホップ・デュオのレイ・シュリマーは今年リリースする3rdアルバムを3枚組にするとも明らかにしている。

さらに「Nielsen Music」の調べによると、2017年に最低でもCDもしくはダウンロードでアルバム1枚分売れた新作アルバムは15万作品あったというが、2000年の時点で新作アルバムは総数で3万6000作品だったという。

また、かつてのインタースコープ・レコードのオーナーで、Apple Musicの立ち上げに関わったAppleのジミー・アイオヴィンは最近の「BBC」とのインタビューの中で、現在の各ストリーミング・サービスのサービス内容が似過ぎていることを問題点として指摘。ストリーミング・サービスにも、例えばNetflixで提供しているオリジナル作品のような、独占的なコンテンツが将来的に必要かもしれないとほのめかしている。
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