聴くたびに『銀魂』愛が溢れ出す、究極のアニメOP&EDテーマ10曲

聴くたびに『銀魂』愛が溢れ出す、究極のアニメOP&EDテーマ10曲

2017年7月14日(金)には、小栗旬主演、福田雄一監督による実写映画の公開も控えている、『週刊少年ジャンプ』で空知英秋が連載中の大人気コミック『銀魂』。実写映画の主題歌はUVERworldの新曲“DECIDED”であることが先日、発表されたが、『銀魂』と言えばアニメのOP&EDテーマにも、その物語と深く繋がった数々の名曲があることも知られている。ここでは、その中でも厳選の10曲をセレクト。それぞれの名曲が教えてくれる『銀魂』の物語の奥の深い魅力に迫る。


1 Tommy heavenly6“Pray”(2006年/1話~24話オープニング)
記念すべき初代オープニングテーマを手掛けたのは、川瀬智子のソロプロジェクトのひとつTommy heavenly6。特にアニメ『銀魂』ファンの多くが迷いなく「初期『銀魂』と言えばこの曲!」と思う1曲だ。《そばにいる たとえどんなに/悲しい夢だとしてもかまわない》というフレーズに万事屋の3人の絆を、《冷たい記憶の闇 切り裂いて》というフレーズに、銀さんが死んだ魚の目の奥に秘めている攘夷戦争時代の闇の記憶を思って切なくなる。しかしオープニング映像のラストでは、シリアスな表情の銀さんが定春にガブリと頭を齧られるというオチがついていて、アニメ『銀魂』のノリが始まりから一貫したものであることを改めて感じられる。


2 redballoon“雪のツバサ”(2006年/25話~37話エンディング)
雪が降りしきる中、スクーターを走らせる銀さんの姿、そして同じく雪の中に立つ主要キャラクターたちの姿が次々と映し出されるというシンプルな映像と共に、多くの人の記憶に残っている初期の傑作エンディング。《僕らは真冬の星より 夢中で儚い》というフレーズが『銀魂』の登場人物たちの、形は違えどそれぞれにまっすぐな心根を表しているかのようだ。


3 DOES“修羅”(2007年/50話~62話エンディング)
激しいギターのカッティングと共に金色の鱗粉を撒き散らすアゲハ蝶が高杉晋助の背中に向かって激しく羽ばたく姿から始まるエンディングも鮮烈。アニメ『銀魂』の音楽=DOESというイメージの発端となった1曲である。『銀魂』のシリアス路線の長編の代表作のひとつである紅桜篇に痺れた記憶と共に、多くの人の心に鋭い刀傷のように消えずに残っている。


4 DOES“曇天”(2008年/100話~125話オープニング)
どちらかと言うと青空のイメージから始まる印象の強いアニメ『銀魂』オープニングの中で、土砂降りの予感が渦巻く重々しい映像で異色を放っているのが“曇天”。DOESと『銀魂』のタッグは鉄壁というイメージを不動のものにした。これもまた長編の代表作のひとつである真選組動乱篇の記憶に紐付いていて、真選組のファンの中でも高い人気を誇る1曲だ。


5 POSSIBILITY“sanagi”(2008年/100話~112話エンディング)
《僕らはずっと待ってたんだ/陽の光を完璧な時代を》という言葉と共に、銀さんと桂と高杉が、同じ寺子屋で、同じ教本を持って少年時代を過ごしていた頃の光景から始まる、『銀魂』の物語を深く知っていればいるほど感動してしまうエンディング。しかも次々と登場する主要キャラクターたちの「蛹(さなぎ)の頃の姿」には、小ネタが散りばめられていて楽しい。個人的には、銀さんが桜の花びらで「いちご」という文字を書いて昼寝をしている場面に、その感動と楽しさの両方が重なっていて好きだ。


6 高橋瞳×BEAT CRUSADERS“ウォーアイニー”(2009年/164話~176話エンディング)
神楽が夕暮れの中を少し切ない表情で歩く姿から始まり、たま、お登勢、お妙、さっちゃん、九ちゃん、また子、幾松、ハツ、陸奥、ミツバと、人気女性キャラをフィーチャーした絵が続くエンディングは特に女子『銀魂』ファンの間で人気が高い。『銀魂』の女性キャラはみな個性が強烈で、奥ゆかしく乙女らしい女性はほとんどいないわけだが、そんな彼女たちの、愛すべき馬鹿な男キャラたちへの「乙女」な気持ちも明るく軽快に掬って見せてくれるところも、この曲の魅力だ。


7 SPYAIR“サムライハート(Some Like It Hot!!)”(2011年/202話~214話エンディング)
かぶき町四天王篇における雨が降りしきる中での銀さんと次郎長の対決がフィーチャーされたギャグ要素0のエンディングは、アニメ『銀魂』史上においても最もストイックな映像のひとつになっている。SPYAIRの、切ない熱を帯びながら歪んだギターがリフを刻むミクスチャー・サウンドは、『銀魂』に登場する侍たちの荒ぶる心を見事に体現していて、アニメ『銀魂』=ロックというイメージをより強固にした1曲だと言える。


8 BLUE ENCOUNT“DAY×DAY”(2015年/266話~277話オープニング)
現在の宮脇千鶴監督になった第3期の一発目のオープニングを飾ったのが、ブルエンの代表曲のひとつでもあるこの曲。『銀魂』の楽しさも重い痛みも全て爆走するスクーターに乗せながら、ひたすら爽快にまっすぐ駆け抜けるパワーポップ・チューン。《あなたと共に戦うよ/「我が物顔」がはびこるこの世界で》というフレーズに、多くのファンがこれまで『銀魂』の物語がくれた力が何であるかを改めて感じ、アニメの再スタートの喜びと共に心を震わせた。


9 THREE LIGHTS DOWN KINGS“グロリアスデイズ”(2015年/292話~303話エンディング)
哀愁を帯びたピアノの旋律を乗せて激走するミクスチャー・サウンドと共に、銀さんの松陽先生に纏わる重い過去、攘夷志士の仲間や、万事屋の仲間との絆などが入り乱れながらフラッシュバック。そして数々の敵との対峙を繰り返して今、盟友でありながら宿敵でもある高杉と正面から激突する——そんな銀さんの血まみれの過去・現在・未来を《何回だって立ち上がる もがき求めた未来は/強く握った手の中》という力強いフレーズでサンエルは見事にまとめ上げている。


10 ЯeaL“カゲロウ”(2017年/317話~328話オープニング)
洛陽決戦篇の、登場人物たちが過去と容赦なく対峙させられることになる、あまりにもヘヴィーで濃厚な展開を、跳ねるリズムと《消えない消えない あの日のカゲロウ》という耳に残るサビに代表される痛快なメロディで、あくまでもポップに映し出した1曲。クライマックスに向かって加速体勢に入った今の『銀魂』の、一筋縄ではいかないたくさんの絆や宿命が織り成す複雑さをこの曲は力強く背負っている。

(古河晋)
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