レディオヘッドのイスラエル公演に一部ミュージシャンたちが中止要請

レディオヘッドのイスラエル公演に一部ミュージシャンたちが中止要請

今年の夏にイスラエルのテルアヴィヴでのライブを予定しているレディオヘッドだが、サーストン・ムーア、ロジャー・ウォーターズ、TVオン・ザ・レディオのトゥンデ・アデビンペなどのミュージシャンがこの公演を取り止めるように連名でバンドに呼びかけている。

呼びかけはイスラエルでのアーティスト活動や文化活動などをボイコットしようと訴える「アーティスツ・フォー・パレスチナ UK」という団体を通して発表されている。
イスラエル占領下地域でパレスチナ人の人権が侵害されている事実が報告されている以上、イスラエルでの公演は見直すべきだとアーティストや俳優、作家などの40名以上の連名で公開書簡がレディオヘッドに宛てられている。
ミュージシャンではほかにエイドリアン・シャーウッド、ロバート・ワイアット、イギリスのラッパーのロウキーらも署名している。

トム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッド、コリン・グリーンウッド、エド・オブライエン、フィル・セルウェイに宛てられた書簡は次のように切り出されている。

「あなたたちは今年の7月にテルアヴィヴでの公演を予定しています。

これをもう一度考え直してもらえませんでしょうか。イスラエルは、国連の報告によれば『パレスチナ人に対して差別政策が強いられている』国であり、公演することによってあなたたちはその国で公演を行うことになってしまうからです。

あなたたちがパレスチナ側の活動家からの接触をすでに受けているのは承知しています。彼らはあなたたちにイスラエルへの文化的なボイコットを行うように要請したところ、あなたたちはそれを断ったといいます。
レディオヘッドはチベットの自由と自治のためには支援活動を行うのに、外国に支配されている別の人々のために行動を起こしてほしいという要請をどうして断ってしまうのか、わたしたちには解せません。

レディオヘッドは世界人権宣言の公布50周年記念コンサート(1998年)には出演したのに、パレスチナ人となると、その人権が否定されていることについて声を上げることをどうして無視しようとするのか、わたしたちには解せないのです」

さらに書簡はレディオヘッドがかつて「アムネスティ・インターナショナルのような組織の活動なしには世界人権宣言などただの戯言になってしまう」と発言していたことに触れ、そのアムネスティ・インターナショナルがイスラエル当局によるパレスチナ人への人権侵害行為を報告していることを指摘している。

レディオヘッドがアムネスティ・インターナショナルを支持している以上は、アムネスティが報告しているイスラエル当局によるパレスチナ人への人権侵害の数々、つまり、住居選択の規制、移動の規制、令状や裁判なしに身柄を拘束され多くの場合には拷問を受けていること、検閲なしにSNSさえ使用できないことなどがまかりとおっていることを知らないわけがないと指摘している。さらに書簡はバンドにこう要請している。

「イスラエルでの演奏をとりやめてほしいとあなたたちに要求することで、パレスチナの人々はイスラエルによる基本的人権や国際法の侵害をやめさせるため、あなたたち自身が小さな一歩を踏み出してほしいと呼びかけているのです。

分断や差別、憎悪をけしかける政治に対して立ち向かうことに何か意味があるとしたら、それはそうした問題がどこで起きたとしても立ち向かっていくことにあるはずで、パレスチナ人が日々直面させられていることもそれに含まれているのです。
さもなければ、ほかの全てのことが、あなたたちが言うように『戯言』になってしまいます。」
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