若き王者・ONE OK ROCKが放つ決定的傑作『Ambitions』、全14曲すべてを聴いた!

若き王者・ONE OK ROCKが放つ決定的傑作『Ambitions』、全14曲すべてを聴いた!

「僕らはこれから、ONE OK ROCKっていう音楽をしっかりと、声が出なくなる最後まで届け続けて――ONE OK ROCKが好きなファンの中から、僕らを超えるような、とんでもない世界規模のやつが出てくることを、切に願ってます」……今年9月に静岡・渚園で計11万人を動員した、バンド史上最大規模のワンマンライブ=「SPECIAL LIVE IN NAGISAEN」のステージで、Takaはそんな言葉でONE OK ROCKの「これから」への決意を語っていた。それは取りも直さず、「世界規模」のカウンターカルチャーを生み出す巨大な循環の原動力となるようなロックの風景を、まずは他でもない自分たちが描き出してみせるという、この上ない闘争宣言でもあった。

渚園ライブやアルバムツアーなど積極的な国内のライブ活動の一方で、北米/ヨーロッパ/アジアと積極的に回ってきた海外ツアーや『35xxxv Deluxe Edition』の北米リリースといった活動に象徴される通り、『人生×僕=』以降のONE OK ROCKは「日本のロック」という枠組みを超えたロックの訴求力に目を向けてきたし、そんな途方もないロマンをいかにして自分たちが「今」に体現するか?というところに己のエネルギーを注いできた。
 
そして――そんな彼らのアティテュードをダイレクトに焼き込んだ1枚が、前作『35xxxv』から2年ぶり・8作目のアルバムとして2017年1月11日(水)にリリースされる『Ambitions』だ。

前々作『人生×僕=』、前作『35xxxv』、と作品を重ねるごとに飛躍的な成長を歌とサウンドに刻み込んできた「ONE OK ROCK最新型」の結晶である新作『Ambitions』。その全14曲を、今回いち早く聴くことができた。

『35xxxv』同様に海外レコーディングによって制作された今作でも最も鮮烈に印象に残るのは、“Always coming back”“Taking Off”といった既発配信シングルでもその重要な要素を占めていた、ロックのスケール感と可能性を格段に力強く押し広げるようなハイパーなダイナミズムだ。アメリカはじめ世界各国のモダンロックの先鋭性を全身で呼吸し、格段にタフに鍛え上がったTaka/Toru/Ryota/Tomoyaのアンサンブルの肉体性とDNAレベルで融合させた――とでも言うべき覚醒感が、このアルバムにはあふれている。

それこそ「ロックバンドが鳴らすサウンド」という概念を解体・再構築したようなハイブリッドな質感の楽曲あり、かつてないほどに雄大なロックの風景を描き出すメロディとアレンジあり、アヴリル・ラヴィーンをゲストボーカルに迎えたパワーバラード曲“Listen”あり、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーをフィーチャーしてロックの絶景を繰り広げる“Take what you want”あり……ONE OK ROCKのバンドヒストリーのみならず、ロックという表現丸ごと新次元へアップデートしてみせるような、まさに死角なしの最高傑作だ。1日5万5千人が集まった渚園の大舞台の上で、「この景色は僕らにとって、まだまだ通過点に過ぎません」と高々と宣誓していたTakaの言葉が、今作の端々からビビッドに蘇ってくる。かつて日本にこんなロックバンドはいなかったし、こんなロックサウンドは存在しなかった――と断言できる音像が、このアルバムには驚くべき輝度と純度で凝縮されている。

すでにアナウンスされている通り、来年1月の北米ツアーに続いて、2月からは全国16会場・32公演に及ぶ過去最大規模のアリーナツアー=「ONE OK ROCK 2017 "Ambitions" JAPAN TOUR」を開催するONE OK ROCK。そして、2016年12月29日(木)発売の『ROCKIN'ON JAPAN』2017年2月号では表紙巻頭特集を敢行! 4人のソロインタビューで名盤『Ambitions』を生み出したONE OK ROCKの劇的進化に迫る!(高橋智樹)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2017年1月号より転載)
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