【完全レポ】aiko、NHKホールでツアーファイナル!3時間半の熱演、すべて味わってきた

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aikoが、9月17日に全国ツアー「aiko Live Tour 『Love Like Pop vol.19』」のファイナル公演をNHKホールで行った。RO69では、この模様をロングレポートでお届けする。

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●セットリスト
1.何時何分
2.プラマイ
3.どろぼう
4.milk
5.信号
6.遊園地
7.問題集
8.微熱
9.もっと
10.シャッター
11.洗面所
12.愛だけは
13.September
14.好き嫌い
15.冷凍便
16.帽子と水着と水平線
17.キスする前に
18.イジワルな天使よ 世界を笑え!
19.Loveletter
(アンコール)
20.蒼い日
21.恋をしたのは
22.夏が帰る
23.夢見る隙間
(アンコール2)
24.あたしの向こう
25.相合傘
26.ジェット
(アンコール3)
27.ボーイフレンド
28.be master of life


「みんなが『もうaikoアカンのちゃう?』っていうまで歌っていくので、ダメなときはちゃんと言ってください。みんなと一緒にちゃんと、歳を重ねていきたいと思います」

――ライブ終盤、彼女が決然とした想いを伝えると、場内が大歓声で満たされていく。全19ヶ所35公演(熊本でのフリーライブを含む)を回ったaikoの全国ツアー「Love Like Pop vol.19」。ツアーファイナルのNHKホール・9月17日公演には、人から人へ「歌を伝える」という行為と真摯に向き合ってきた彼女だからこそ生み出せた光景だけが広がっていた。

1曲目は最新アルバム『May Dream』でも冒頭を飾っていた“何時何分”。場内が暗転すると観客は大歓声でaikoを迎えたが、紗幕越しに照明を浴びた彼女が静かに歌い始めた時、その昂揚感は緊張感へと塗り替わった。日常風景の中に混ざる独白から始まり、感情を増幅させては共鳴させる同曲を経て「みなさんこんばんは、aikoでーす!」と挨拶する彼女。この場に集まる人々の心の扉をパッカーンと開けてしまう魔法みたいな一言を機に“プラマイ”へ。ギター×2/ベース/ドラム/キーボード、さらにトランペット/トロンボーン/サックスという金管トリオを加えた編成のバンドサウンドがカラフルに弾けだす。

ボーダー柄に真っ赤な裾が鮮やかなワンピースを纏ったaikoは、くるくる回ったり、軽やかにステップを踏んだりしながら、身体全体で音を楽しむように歌う。そうしてステージ上を右へ左へ練り歩きながら、さらには1階席を貫くように設置された花道へと駆け出しながら、客席の手前にも奥にも、右側にも左側にも視線を向けている。しかも「何となくこの辺り」を見ているのではなく、本当にひとりひとりと目を合わせているのだ。のちのMCで「NHKホールは広いけど、みんなの声聞こえているし、顔も見えてるから。一緒に喋りましょう……いや、歌も歌うんだけどね(笑)」なんて笑っていたaiko。そういう彼女自身の飾らないキャラクターと、感情の機微を掬う歌がもたらす秘密の話を打ち明けられているような感覚――ふたつの「近さ」が生み出すエネルギーは、直接歌い手と聴き手が顔と顔とを突き合わせるこの場所で輝きを増していく。

『May Dream』収録曲だけではなく、それまでにリリースした曲も多数披露したこの日。中盤の弾き語りコーナーでは「久しぶりに歌います」と前置きされた“September”をしっとりと歌い上げたほか、客席から募った(会場に遊びに来ていた南海キャンディーズ・山ちゃんが指名されるサプライズもあり)7つの単語を使用して即興で歌を作る……という場面も。キーボードをポロポロと弾きながらものの数分で彼女が作り上げたのは「フラダンス教室の講師に二股をかけられた女性」という独特な設定の歌だった。

“好き嫌い”からサポートメンバーが再び加わり、ライブは終盤へと向かっていく。バンドサウンドが熱量を増していく様子が圧巻だった“冷凍便”、「男子!女子!裸眼!コンタクト!レーシック!」と恒例のコール&レスポンスのあとの“帽子と水着と水平線”ではキャパ3500人のホールとは思えないほどの、ライブハウスさながらの熱気を生み出す。そんな光景の中には、aikoに手を握られて思わず泣きそうになる人、楽しくてしょうがないのかとにかく飛び跳ねまくっている人、胸に手を当てながらじっくり聴き入っている人、など様々な姿が。登場人物のパーソナルな心情を浮き彫りにさせる歌に、それぞれの人が自分だけの想いを滲ませていることが読み取れる。素晴らしい景色だ。

本編を終えたあとはアンコールだけでなく、ダブルアンコール、さらにはトリプルアンコールまで敢行した。最新曲“恋をしたのは”を披露したあと、「インディーズの頃は新しい曲を歌うのがすごく苦手だったんよ。でも回を重ねるごとに、すごく(曲を)聴いてくれてるんやなあって感じて、もっと新しい曲書いていきたいなって、みんながそう思わせてくれました」と語ったり、涙で言葉を詰まらせながら「MCとかではガッといくけど、意外と内気なんですよ? みなさんにもっと私のことを知ってもらえますように。みなさん、もっともっといろいろなことを教えてください」と伝える場面もあったり(これがデビュー19年目の人の言葉なのか、と思うとやっぱり彼女は凄まじいなと思う)、この日はMCも印象的だった。6月25日の広島公演にてワンマンライブ通算500回目を達成したり、7月17日の宮城公演にてメジャーデビュー18周年を迎えたり、節目の日を迎えることを通じて「続ける」ことの意味を実感してきたツアーだったからこそ、彼女の中に積もっていた想いが溢れ出したのかもしれない。3時間半に及んだ熱演の最後に演奏されたのは“be master of life”。《誰が何を言おうと関係ないあたしは味方よ/そんなの当たり前の話よ/あたしもずっと意地も張ってられないから/たまにはそばにいて欲しい》。そんな歌で、大切な夜は締め括られたのだった。(蜂須賀ちなみ)
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