エリック・クラプトン、新作『アイ・スティル・ドゥ』について語る

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2年ぶりの新作『アイ・スティル・ドゥ』を5月20日にリリースするエリック・クラプトンが新作について語っている。

新作はプロデューサーにグリン・ジョンズを迎え、新曲2曲とロバート・ジョンソンやJ・J・ケイルらの楽曲を取り上げた内容になっているが、スタジオ入りする直前に重度のじんましんの発作に襲われて閉口したと次のようにビルボード誌に語っている。

「もう悪夢かと思ったよ。心身症というか、緊張してそれが身体に出てるのかなあと思うようになったんだけど。だから、実は緊張してたのかもね。誰にもわからないけど。全身のじんましんになって、手もじんましんだらけになっちゃったんだよ」

しかし、その状態で自宅に籠っていても気が滅入ってくるだけだろうと判断してレコーディングの先送りは考えなかったという。そうした経緯で指先だけが出る手袋をして演奏に臨んだとのことで、その写真も新作の裏ジャケットに紹介されているという。

さらに新作の情報が初めて公開された際にはジョージ・ハリスンが参加していると広く噂されることになったが、この噂の出所になったのは、収録曲の"アイ・ウィル・ビー・ゼア"にアンジェロ・ミステリオーゾという参加ミュージシャンのクレジットがあったから。実はこの名前はジョージがエリックなどのアーティストとの共演の際に使った変名として知られているからだ。しかし、世界中のほとんどの媒体がジョージも参加していると先走って報道してしまったため、その後、エリックは自らジョージはどのような形でも参加していないと表明することになった。

エリックはアンジェロ・ミステリオーゾの所以を汲んで今回そうやってみんなが騒いだことについては「とても嬉しかった」としながらも、この曲の共演アーティストはジョージではないと今回も語っている。そしてエリックはこの変名クレジットを今回改めて使ったのは、実際に参加しているアーティストのレコード会社がそのアーティストがエリックと関連付けられるのを嫌がっているからなのだと説明している。

「みんながいろいろ考えるんだろうなというのは面白いと思うんだけど。みんなが当てるかもしれないし、間違ってるかもしれない。でも、ぼくの口からはいえないんだ。そう約束したからね」

また、オリジナル曲"スパイラル"についてはバンドとセッション中に作り上げたグルーヴにそのまま歌詞をつけてすぐに仕上げたとエリックは説明していて、歌詞的には自伝的な内容になっているという。この曲についてエリックは「この曲がどれだけ重要なのかってことはなかなかわかってもらえないだろうけど、この音が自分の中から出てくるっていうのが重要なんだよ。こういうのがないともうだめなんだ」と説明している。

さらにアルバムを締め括るビリー・ホリデイのカバー"アイル・ビー・シーイング・ユー"については、「もしこの次の作品を作れなくなった時のための、今のぼくの気持ちなんだよ。さようならっていってるのかもしれないね。でも、そんなことをもうしばらくやってるような気もするしね」と心境を明かしている。

現在、3度目の妻との間に10代の娘3人に恵まれているエリックだが、娘たちがジャスティン・ビーバー好きであることについては次のように語っている。

「まあ、きっと娘たちがジャスティンの話をしているのを聞いてちょっとがっかりしたところはあるんだろうけど。でも、それは(新作『パーパス』)音楽を聴いてみるまでの話だったよ。今歌ってるものには中身があるよ」
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