all pics by Nobuyuki Kobayashi & Daisuke Sakai (FYD inc.)
2016年3月15日、MAN WITH A MISSIONによる全国ツアー「The World's On Fire TOUR 2016」の初日公演がZepp Tokyoにて行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。
--------------------------
「ツイニ始マリマシタ、『The World's On Fire』ツアー、初日デゴザイマス！」とぶち上げるジャン・ケン・ジョニー（G・Vo・Raps）のコールに沸き返る大歓声！ さらに「今日ハ初日デゴザイマス。マア要スルニ、『曲下ロシ』デゴザイマス。今日ハ初メテヤル曲ガイッパイアリマスノデ、思ウ存分ハッチャケテ、最後マデ楽シンデッテクレ！」と続けるジャン・ケンの言葉に、序盤からクライマックス級の歓喜あふれるZepp Tokyoのフロアがさらに熱く高まっていく――。2月にリリースされた最新アルバムにして最高傑作『The World's On Fire』を携えての待望のツアー、しかも全国25本にわたって行われるツアーのほとんどがライヴハウス公演ということもあって、開演前からはちきれんばかりだった観客の期待感と高揚感を、愛すべきオオカミたちは真っ向から受け止めて、どでかいロックの地平の彼方へと導いてみせた。最高のステージだった。
ツアーはこの後5月17日・18日のファイナル＝新木場スタジオコースト公演まで続くため、セットリストや演出の詳細についてはここでは割愛、一部楽曲に触れるに留めさせていただくが、今回のツアー初日のポイントは大きくふたつ。“Raise your flag”“Seven Deadly Sins”など既発シングル曲群はもちろん、この日がジョニーいわく「曲下ロシ」となった曲まで含め、『The World's On Fire』の楽曲群が、エモ／メタルコア／ミクスチャーといった枠組みを超越して、既にオーディエンスの間で「最新型MWAMアンセム」としての訴求力と爆発力を発揮していること。そして、アルバムにも刻み込まれていたロック理想主義者としての魂が、この日のむせ返るような熱気の中に凛とした覚醒感を漂わせていたことだ。
たとえば“Dive”で巻き起こった満場のOiコールの熱量が、カミカゼ・ボーイ（B・Cho）＆スペア・リブ（Dr）のソリッドかつアグレッシヴなビート感と、《I'm gonna dive today／存在を示す証／己の意味を探して》というトーキョー・タナカ（Vo）＆ジャン・ケンの真摯な熱唱に応えて高らかなシンガロングへと姿を変えてZepp狭しと吹き荒れた瞬間。たとえば「我々ノツアーハ2ヶ月間グライ続キマスケレドモ、少シデモ新年度ノ足シニナルヨウナ何カヲ、ゼヒ掴ンデイタダキタイナト思イマス」という言葉とともに響き渡った“Memories”の清冽なメロディが、壮大なロックの風景を描き出し、フロア一面に歌声とクラップを巻き起こしてみせた瞬間……ライヴの随所で「マダマダ足リネーゾ、オラァ!!」「ヤルジャネーカ、ニンゲンノヤロードモ！」と挑発的に煽りながらも、「ニンゲンノヤロードモ」の心をダイレクトに突き動かす情熱が、連打されていく楽曲に確かに脈打っていることを感じさせる、どこまでもエモーショナルなアクトだった。
ライヴの構成から映像演出までサービス精神全開のステージを、DJサンタモニカ（Dj／Sampling）の鮮やかなダイヴをはじめとする名場面がさらなる狂騒と歓喜の頂へと押し上げていたこの日のライヴ。「ライヴハウス初メテダッテヤツラ、手ヲ挙ゲテミテクダサイ！……オー、マジカ！ 結構イルナ！」とフロアを見回しつつ、「ライヴハウス初メテノ人タチガ、コレダケ大勢イラッシャルノデ、ステージ上ノ我々カラダケジャナクテネ、ミンナデ、ライヴハウスノスゴサ、熱サ、楽シサ、伝エテクダサイ！ 分カチ合ッテクダサイ！」と呼びかけるジャン・ケンの言葉は、ライヴバンドとしてのアイデンティティの在り処を強く感じさせるものだった。
そんな中、「世界中ニハ、結構信ジラレナイニュースダッタリ、イロンナコトガ起キテイマス」とジャン・ケンはひときわ真摯に語っていた。「願ウコトトカ、希望ヲ持ツコトハ、捨テチャイケナイナト、常々思ッテオリマシテ。立派ナオオカミ――立派ナ人間デハナインデスケレドモ、願ウコトダケハ、続ケナケレバイケナイト、思ッテオリマス。世界中ガ戦火ジャナク、悲シミトカ怒リノ炎ジャナク、希望ノ炎デ包マレマスヨウニ」……度重なる海外ツアーなどの切磋琢磨を一大進化作『The World's On Fire』に結実させたMAN WITH A MISSION。その表現がさらに壮大なスケール感と強烈なメッセージ性、そしてそれゆえのタフな包容力を発揮していることが、この日のアクトからもリアルに窺えた。ツアー次回公演は3月17日・CLUB CITTA'川崎にて開催！（高橋智樹）
--------------------------
