RO69JACK 14/15 優勝バンド・21g、闇深き和風ロックに震えたリリースパーティーレポ!

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RO69JACK 14/15優勝バンド・21gの新作ミニアルバムのリリースパーティー「21g presents!! ~最初の晩餐~」が、2015年1月20日、バンドの地元である千葉県・本八幡THE 3rd STAGEにて行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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RO69JACK 14/15の優勝バンド・21gが、昨年12月9日にリリースしたミニアルバム『一人芝居ハニー』のリリースパーティー「21g presents!! ~最初の晩餐~」。共演は、同じく千葉県を拠点とする2組。まず、イベントのオープニングを飾ったのは、フィリピン生まれのフロントマン、萩原慈悲之(Vo・B)率いる3人組ファンクバンド、ヘンショクリュウだ。その日本人離れしたリズム感によって繰り出される濃厚なブルーヴでフロアを踊らせていく。次に登場したのは4人組のギターロックバンド、NOWEATHER。大畑カズキ(Vo・G)が全力を込めて紡ぐエモーショナルな歌唱には強く惹きこまれるものがあった。

年齢としては最年長のヘンショクリュウは平均年齢22歳で、結成からはわずか1年ほど。NOWEATHER は結成こそ5年前だが、まだ19歳。そんな可能性に満ちたフレッシュなメンツが集ったこの日のリリースパーティの、最後に登場したのが21gだった。彼らもまた、結成から1年ほど。紅一点のヴォーカル、田中HAIDY(Vo・G)が、すっぽりと身体を覆う真っ白な衣装を着てステージに現れると、中村リョーマ(G)、オオモリイッペイ(B)、田上リュージュ(Dr)の3人も楽器をスタンバイ。期待感を込めて集まるお客さんがステージ前方へと押し寄せた。

スローテンポの1曲目“果て、何をしようか?”から、まず深く抑揚の効いたHAIDYの歌声が、音数の少ない演奏のなかでミステリアスな存在感を放った。歌われているのは、隕石によって滅びゆく地球最後の日。《巨大な雨粒が街を 粉に変えてゆくのを 君と笑いながら見下ろす》という歌詞に、ぞわりと戦慄が走る。そして、バンドサウンドが力強く鳴りわたり、愛憎入り混じる狂気が深い情念で歌われる“ヨツヤタリハニーバニー”、崩壊する自我にもがき苦しむ“ジエンド”へ。人間の心に潜む闇の部分をえぐり出すような生々しい21gの世界観には、どこか怪奇的でダークな和のテイストが貫かれている。

演奏では、息を呑むような世界観を築き上げながらも、MCではメンバーの素朴な雰囲気も垣間見られた。「こんなにたくさん集まってくれるとは思ってなかったので嬉しいです」とHAIDY。続けて、「ぼくとHAIDYが初めてライヴをやったのも、この 3rd STAGEで、そのときは全然企画も上手くいかなくて、悲しい気持ちになったりした。でも、恩返しができて嬉しいです」と、中村も喜びを伝えていた。この日は、バンド名の21gから取った「g」の文字をかたどったオブジェがステージに飾り付けられ、VJによる映像が映し出されるなど、音楽だけではなく、会場に足を踏み入れた瞬間から21gを感じられるような工夫がいくつも用意されていた。それもまた、少しでもこの日のライヴを楽しんでもらいたいというバンドのこだわりだった。

そして、ライヴは後半へ。繊細に重なり合うギターとベースのアンサンブルのなかで、思考するがゆえに苦悩する人間の悲しい性をテーマにした“尺取り虫”、やさぐれた歌唱で人生をはかなむ17歳のブルース“セブンティンブルウ”へと、曲が進むにつれて、どんどん21gの闇の色は濃くなっていく。そして、「21gは終わりの曲が多いですけれども、終わったらまた始まるのが世の常です」と、HAIDYが告げ、不穏な3拍子にのせて「繰り返す終わり」、そして「はじまり」を綴った“週末ロードショウ”へ。そのシリアスな演奏の高まりが快感に変わるころ、何の前触れもなく演奏を終えた。そして一言も発することなくメンバーは退場。一瞬、呆気にとられたフロアに、ゆっくりと拍手が沸き起こる。それは1時間にも満たない出来事だった。だが、奇妙な余韻を残すステージだった。もっとあの世界観に浸っていたい。いま、早くも中毒のように21gを求めている自分がいる。(秦理絵)

●セットリスト

1.果て、何をしようか?
2.ヨツヤタリハニーバニー
3.ジエンド
4.早朝5時、理想の僕
5.尺取り虫
6.セブンティンブルウ
7.週末ロードショウ

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