Acid Black Cherryのロングツアー、ついにフィナーレ! ドラマチックに燃えた日本武道館公演レポ!

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2015年12月14日、Acid Black Cherryによる全国アリーナツアー「2015 arena tour L—エルー」の最終公演が、日本武道館にて行われた。RO69では、この模様をロングレポートにてお届けする。

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2015年2月にリリースしたコンセプチュアルなアルバム『Lーエルー』を携え、Acid Black Cherryは3月から6月までにホールサイズのツアーを全国25公演、さらに9月からは「2015 arena tour L-エル-」を全国13公演というスケジュールで展開。その長期ツアーの千秋楽を迎えるのが、今回レポートする日本武道館である。場内が暗転してオーディエンスの嬌声に包まれると、愛を求め彷徨い、数奇な運命を辿った女性=エルのドラマが、赤ん坊の頃から老婆の姿で道端に行き倒れるまで、走馬灯のようにスクリーンに映し出される。スポットライトを浴び、スタンドマイクで運命を包み込むような優しいメロディ“Loves”の一節を歌ってゆくyasuである。

ところが、性急なシンセフレーズが鳴り響き、バンドサウンドが立ち上がると、“versus G”からは急転直下に豪快かつグラマラスなロックの中へと飛び込んで行く。サポートメンバーは、YUKI (G/DUSTAR-3, Rayflower)、HIRO (G/Libraian, La'cryma Christi)、SHUSE (B/ †яi¢к, La'cryma Christi)、淳士 (Dr/SIAM SHADE, BULL ZEICHEN 88)という顔ぶれ。歴戦のバンドマンが一丸となって物語からエモーションを引き出し、苦難の運命に抗うためのサウンドを思うさまぶっ放す姿は痛快である。けたたましい炸裂音の特効に導かれた“liar or LIAR?”では、yasu、YUKI、HIRO、SHUSEがステージの淵まで躍り出て横一線に並び熱演を繰り広げていた。

各エリアのオーディエンスとそれぞれコールを巻き起こすyasuは、長期ツアーを振り返って「歳をとると時間が過ぎるのが早いですけれども」と笑いを誘うのだけれど、言葉とは裏腹に猛烈なロックショウの手を緩めない。“Greed Greed Greed”では強烈にうねりまくるベースラインと突き飛ばすようなビートを乗りこなし、yasuは張りのある歌声でメロディと歌詞を届けてくる。ハードなジャンプブルース風の“黒猫 ~Adult Black Cat~”では「ニャア」と悪戯っぽく鳴き真似を加えていた。過去曲も絡めつつ、『Lーエルー』収録のシングル曲が固め撃ちになる時間帯だ。

嵐のSEと共に「私の人生は悪夢の連続でした」というエルのナレーションが差し込まれ、ここで披露されるのはアルバムの冒頭に配置されていた“Round & Round”。ミディアムテンポの、強いフックを残す悲しげなナンバーだが、ロックの鋭いエッジを保った演奏が素晴らしい。楽曲によってYUKIは電光石火のギターソロを弾きまくるのだが、ここではHIROが熱く情緒的なギターソロを奏で、好対照なふたりのプレイがAcid Black Cherryの表現世界を押し広げていた。

「やっぱり武道館て、(お客さんが)近くていいですね。近いよ。ケータイ触ったらすぐわかるよ」とyasuが告げ、あらためてメンバーもそれぞれに自己紹介。Twitterで募集した質問に応えるコーナーでは、プリントアウトされた質問の数々を読みつつ「ブスに希望はありますか、って、ないわ! 可愛くなろうとする気持ちがないことが許されへん」「だから俺らヴィジュアル系やってるんでしょ? かっこ良くなりたくてやってるんでしょ? 違いますか皆さん!?」と熱弁を飛ばしたり、男子の第二次性徴の話題で盛り上がって「胸にしこりができて、痛くて。俺、柔道部やったんだけど、打ち込みってのがあって。大外刈りのときにこう、胸を当てて来るんだ」と語るyasuであった。

そんな笑いに満ちた時間を“君がいない、あの日から…”のどっしりとした美メロが強引にロックの中へと引き戻し、“眠れぬ夜”へと繋いで『Lーエルー』の名曲を連発してゆく。陽気な“7 colors”で盛り上がった後にも再びQ&Aコーナーが繰り広げられ、ひとしきり笑った後にyasuは「でもこの質問も、ツアーでやってきましたけど、みんなと喋った感じで良かったですよ」と感慨を残していた。そして、“ピストル”の急発進でまたもやオーディエンスを熱狂の渦へと叩き込む。緩めるところは緩めつつ、ジェットコースターのように油断できないライヴだ。本編ラストに披露される“エストエム”がここまでで最もハードな一曲になるという、王道サウンドと型破りな構成のステージである。

アンコールでは、メタリックに煌めく色とりどりのテープが降り注ぎ、温かなナンバーで『Lーエルー』の世界が締め括られる。「一枚のアルバムでこんなに長いツアーをするのは初めてで。エルという女の人の一生を追ったアルバムなんですけど。これで幸せになるんかなあ、と思ってもまたダメになったりして。でも、最後まで、愛を求めることを止めなかった人のお話なんですね。まあエンディングは、ハッピーエンドなのかどうなのか、人によって受け止め方は違うと思うんですけど……僕のロック人生って、本当はこんな幸せになるはずじゃなかったんですよ。お爺さんになって振り返ったときに、思い出すアルバムなんじゃないかと思います。皆さんも、人生いいことあったり嫌なことあったりしますけど、愛されることとか、夢とか、諦めずに追いかけてくださいね!」と思いを投げかけるyasuであった。

そしてクライマックスは、エモーショナルな“少女の祈りIII”から視界一面のヘドバンを巻き起こす“SPELL MAGIC”、客電点きっぱなしで歓喜の光景にまみれる“20+∞Century Boys”と、怒涛の楽曲連打で今回のステージは締め括られた。鍛え込まれたスキルと感情がほとばしる演奏、そしてしなやかな歌心が武道館を染め上げる、見事なロックショウであった。年明け1/27には今ツアーの横浜アリーナ公演を収めたライヴCD『2015 arena tour L-エル-』が、また2月にはファンクラブ限定ライヴの模様を収録した映像作品『2015 livehouse tour S-エス-』がそれぞれリリースされ、ファイナルの武道館も映像化される予定だ。(小池宏和)

●セットリスト

01. Opening ~Loves~
02. versus G
03. liar or LIAR?
04. Greed Greed Greed
05. 黒猫 ~Adult Black Cat~
06. 指輪物語
07. INCUBUS
08. Round & Round
09. 君がいない、あの日から…
10. 眠れぬ夜
11. 7 colors
12. ピストル
13. 少女の祈り
14. cord name【JUSTICE】
15. エストエム
(encore 1)
16. Lーエルー
17. & you
(encore 2)
18. 少女の祈りIII
19. SPELL MAGIC
20. 20+∞Century Boys

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