フジファブリックの進化を見た!「大成功」の「BOYS & GIRLS」ツアーファイナルレポ!

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2015年11月29日、フジファブリックによる全国ツアー「フジファブリック HALL TOUR 2015 Hello!! BOYS & GIRLS」の最終公演がNHKホールにて行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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今年メジャーデビュー11周年を迎えたフジファブリックが、山内総一郎(Vo・G)、加藤慎一(B)、金澤ダイスケ(Key)のオリジナルメンバーにドラムのBOBOとギターの名越由貴夫をサポートに加えた5人編成で、2枚のコンセプトミニアルバム『BOYS』と『GIRLS』を引っ提げたホールツアーを敢行。そのファイナル公演が、彼らにとって2年振りとなるNHKホールで行われたのだが、この日のアクトは山内の言葉を借りるならば「フジファブリックってこんなバンドだったっけ?」に尽きる。長年大切に築いてきたフジファブリックらしさはそのままに、そこからグンと進化した彼らがそこにいた。精神面、演奏面共に成長した彼らに生まれた余裕がバンドの新しい一面を見せる、期待に満ちたアクトだった。

壮大なSEが会場に鳴り響くと同時に、陽が差し込むような優しいライトがステージを照らし出す。そしてスティックのカウントに合わせて始まった“Green Bird”のクライマックス感に、初っ端から面食らってしまった。力強くも優しい声で歌う山内の威風堂々たる姿から生まれる圧倒的な空気に浸る間もなく雰囲気は一変、トリッキーなシンセサウンドが散りばめられた“虹”へ。ここで山内が金澤にギターを渡し、金澤がギタープレイをするというサプライズ! 金澤も曲が終わるや否や「あなた、2曲目でそれはないだろ!」と突っ込んだりと、序盤からの予期せぬ展開に胸が躍った。以降も“Small World”“シャリー”など、名曲たちを惜しみなく披露。会場も一曲一曲に手を上げてめいっぱい反応していた。

山内は2枚のミニアルバムの制作を振り返って「沸き上がる感情っていうのは、自分以外の誰かがいて初めて起こるものだなと思った」と語った。誰かがいるということ、そして、誰かがいないということ。その2つを全て受け止めた3人が “若者のすべて”と“ECHO”の2曲に込めたバンドへの思いの深さは、決して計れるものではなかった。「志村くんと作ってきた曲をステージで鳴らすことができて、幸せだなと思います」と改めて話した山内に、会場から割れんばかりの拍手が贈られる。本当にこの日は、メンバーが楽しそうに、幸せそうに演奏している姿がとても印象的だった。

そのテンションの高さはMCにも如実に表れていて、会場がNHKホールということで「俺たちも白組の衣装を着て立ちたいな」と年末の紅白歌合戦の出演に思いを馳せたり、加藤がNHKで一番好きな番組の話から、山内が好きな番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』のテーマソングである“Progress”を即興演奏したりと会場を沸かしていく。そして「僕はギタリストですから、掻き鳴らしていきたいと思います!」との山内の一声からの“徒然モノクローム”、“夜明けのBEAT”では華麗な背面弾きを披露し、ラストの“夜明け前”に至るまで速度も熱量も一切落とすことなく加速していった。

アンコールでは、金澤がパイプオルガンのある2階席に登場!「前回は冒頭でパイプオルガンを演奏して緊張したという経験から、今回はアンコールで」という配慮のもと、リラックスムードで演奏されたのは“sing”。シンプルな歌詞を支えるオルガンの荘厳な音は圧巻。まさにNHKホール公演ならではの特別な演奏となった。そして「2015年ラストワンマン、駆け抜けていきたいと思います」と、ラストの“LIFE”に至るまで全力疾走。

「今回のツアーは、一言で言えば大成功!」山内が高らかに放ったその言葉に賛同するように沸き起こった大歓声と拍手が、手を繋ぎ並んでお辞儀するメンバーの頭上に温かく響いたのだった。(峯岸利恵)

・セットリスト
01. Green Bird
02. 虹
03. Small World
04. 夢みるルーザー
05. シャリー
06. マボロシの街
07. キノウ
08. robologue
09. 若者のすべて
10. ECHO
11. ブルー
12. ALONE ALONE ALONE
13. バタアシParty Night
14. Girl!Girl!Girl!
15. 徒然モノクローム
16. 夜明けのBEAT
17. Magic
18. 星降る夜になったら
19. 夜明け前
(encore)
20. sing
21. BABY
22. 銀河
23. LIFE

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