ミッシェル“世界の終わり”、ケツメイシ“さくら”のカヴァーも! 奥田民生、3度目の『ひとり股旅スペシャル』完全レポ

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2015年11月28日、「奥田民生ひとり股旅スペシャル@マツダスタジアム」がMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島にて行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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2004年10月30日広島市民球場、2011年10月22日嚴島神社に続く、 3度目の『ひとり股旅スペシャル』、@マツダスタジアム。
ウグイス嬢のアナウンス、アンパイアによる「プレイボール!」のコール、1曲やるごとにバックスクリーン上のスコアボードの打順のところに曲名が表記されていく、など、2004年の時と同じく、野球の試合形式に則って行われた。本編は前半後半に分かれており、前半は「1回表」、後半は「1回裏」、その間に30分の休憩あり。そのあとアンコールが2曲、という構成。

1回表は、1stアルバムの1曲目“674”でスタート。いつもなら後半やアンコールでやる“イージュー★ライダー”をいきなり3曲目で歌い、スタンドをざわつかせる。続くMCで、11年前の広島市民球場の時は今回より1ヵ月早かったこと、でも今回はカープが日本シリーズに出るかもしれないと、いや、出ると見越してこのスケジュールにしたと説明、「……わたくしの考えは、甘かった」と愚痴る。ウグイス嬢に「ユニコーンの曲で」という条件でリクエストさせて“デーゲーム”“雪が降る町”を歌う。前半のシメは“風は西から”の英語バージョン(今CMで流れているやつ)を歌い、2コーラスで切り上げて「休憩!」と叫び、1塁側ダグアウトに下がる。

ここで30分のインターバル。マツダスタジアムには、カープのマスコット、スラィリーがバズーカでスタンドにタオルを撃ちこみながらグラウンドを回る「バズーカタイム」というのがあるのだが、この日は所属事務所元会長原田公一氏がバズーカを持ち、タオルを撃ちながらグランドを半周した。

休憩明け、ビジョンに「この曲終わりで風船を飛ばそう!」というメッセージが出て、“それ行けカープ”をソニー・ミュージックアーティスツ所属のみなさん(OTやPUFFYや木村カエラやチャットモンチーやサンボマスター近藤洋一や真心ブラザーズやユニコーンの4人やバイきんぐやコウメ太夫など)が歌いつないでいく映像が映しだされ、曲終わりで風船が飛ぶ。続いて始球式、バッター奥田民生と共にキャッチャー大瀬良大地、ピッチャー前田健太が登場、スタンドは大騒ぎに。OT、始球式のあと、「サインもらいました」と、ワークシャツのお腹のところをカメラに向ける。

そして“SUNのSON”で1回裏スタート。中盤から「やっぱ人の曲もやらないと。人の力を借りて、盛り上げていきたいと思います」と、7曲続けてカバー曲。白眉はお客さんがグッズとか振ったりしやすいように、と歌ったケツメイシ“さくら”や、「それでは、世界の……」と振ってからあのイントロをかき鳴らし始めたミッシェルの“世界の終わり”あたりか。続けて「今年有望な新人がデビューしたのを知ってますか? サンフジンズっていうんですけど」と、“じょじょ”と“ハリがないと”を歌う。
“無限の風”とユニコーンの“早口カレー”のあとのMCで、「もう僕は、こんな大きなことは、しません。これを期に、普通の人に戻ります」「まあ、普通に音楽活動をやっていきたいと思います。こんなお祭りみたいに……だんだん恥ずかしくなってきたんで」と、ちょっとマジっぽいMC。感謝の言葉のあと、“CUSTOM”を歌いだしたが、ギターのチューニングが気になって中断。スコアボードにエラーを示す「E」の字と出てビープ音が鳴り、みんな爆笑。
「行ってしまうのかマエケン! 早く帰ってきてね!」などと叫びつつ、“さすらい”で本編シメ。後半、OTの歌にお客さんの「♪どーなったー」のコーラスがかぶさってくる感動的な展開(いつもだけど)。

アンコールを求めるウェーブがスタンドを何周もしたあと、おなじみの背番号082のユニフォームに着替えて登場。“最強のこれから”と“風は西から”の通常バージョンを歌い終え、フラッグを抱えたスタッフを連れて、スタンドにサインボールを投げ込みながらグラウンドを1周。深々とお辞儀をして1塁側ダグアウトに去ったあとも、拍手は鳴り止まなかった。

以上、なるべくタイトに事実関係をまとめました。
以下、この日現場で体験して、改めて気づいたこと。というか、2004年の広島市民球場の時気づくべきだったのにスルーしてしまったが、今回ようやくわかったこと。
これ、とんでもなくタフなトライアルだ。2004年にしろ2015年にしろ、いくら地元とはいえ東京や大阪ではなく地方都市で行う公演としてはとてつもなくでかい規模なわけで、ましてや普段ライブなど行われない場所での開催とあって、県観光連盟などの協力が不可欠なわけで、そうするとどうなるかというと、他府県から足を運んだ熱心なファン以外は、地元の人たち、ということになる。そりゃ地元にもファンはいるが、ファンじゃない人もいる。つまり「広島出身の有名人」としてOTを認識はしていても、必ずしもファンとは限らない、ロックファンですらない、という場合も想定できるわけです。“風は西から”と“イージュー★ライダー”しか知らないよ、という人も、普通のワンマンでは考えられないくらい存在する可能性があるわけです。そういう人たちも足を運んでくれるような、地元のお祭り的なイベントとして開催しているんだから、そうなることはむしろ歓迎すべき事態なんだけど、ということは、ワンマンだからフェスに出る時のようなセットリストにはできないし、かといって通常のワンマンと同じようにやってそれを通すのは至難の業、ということになる。
その間のことをやっているわけだ、しかも歌とアコースティックギター1本とメトロノーム&リズムマシン(それぞれ1曲ずつ)だけで。ソロの曲もユニコーンの曲も、カバー曲も、果敢にもサンフジンズの曲も織り交ぜながら。なんで。そんなふうに自分を追い込むようなことをやらないと、おもしろくないから、なのだと思う。
手元の端末で歌詞を探しながら、愚痴ったりぼやいたりしながら、時には曲を中断してチューニングを直して頭からやり直したりしながら、アコギを弾きつつ経年深化はあっても経年劣化のないあの声で次から次へと歌いまくっていくさま、ほんとに、すごいものがあった。というか、すごい経験だった、OTファンの立場として。そうじゃない立場のオーディエンスにとってどう響いたのか、とても知りたい。

蛇足。2004年の広島市民球場、2011年の嚴島神社、そして今回のマツダスタジアム、3回の『ひとり股旅スペシャル』のすべてで歌われた曲は、“イージュー★ライダー”“野ばら”“The STANDARD”“CUSTOM”“さすらい”でした。(兵庫慎司)

●セットリスト
01. 674
02. えんえんととんでいく
03. イージュー★ライダー
04. デーゲーム(ユニコーン)
05. 雪が降る町(ユニコーン)
06. 遺言
07. 何と言う
08. 野ばら
09. 私はオジさんになった(ユニコーン)
10. 風は西から(英語ver.)
11. SUNのSON
12. メリハリ鳥
13. The STANDARD
14. Darling(西野カナ)
15. 結婚しようよ(吉田拓郎)
16. アイ・ラヴ・ユー,OK(矢沢永吉)
17. 幸せであるように(FLYING KIDS)
18. さくら(ケツメイシ)
19. 人間はもう終わりだ!(真心ブラザーズ)
20. 世界の終わり(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)
21. じょじょ(サンフジンズ)
22. ハリがないと(サンフジンズ)
23. 無限の風
24. 早口カレー(ユニコーン)
25. CUSTOM
26. さすらい
(encore)
27. 最強のこれから
28. 風は西から

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