ジョン・フルシアンテ、発言を曲解されたことに抗議し未公開音源を大量に公開

ジョン・フルシアンテ、発言を曲解されたことに抗議し未公開音源を大量に公開

ジョン・フルシアンテがここ数年書きためていた楽曲をサウンドクラウドやバンドキャンプなどのサイトで一挙に公開している。

2009年にレッド・ホット・チリ・ペッパーズを脱退したジョンは4月にリリースした『トリックフィンガー』などに代表されるようにここ数年、エレクトロニック・ミュージックを追求していて、音楽サイトのエレクトロニック・ビーツとのインタヴューで自分の方向転換やエレクトロニック・ミュージックについて考えていることなどを詳細に語っていた。しかし、ここでの発言を曲解してニュースとして報じられたため、自分の真意をあらためて説明し、未発表音源を大量に公開することになったようだ。

曲解された問題の発言は次のようなものだった。

「最近じゃサンプリングを使ってものすごく抽象的なトラックを制作したりしてるんだよ。そうした作業を始める時にはなにをどうしようということはまったく考えてなくて、題材となるサンプリング音源にただ導かれるようにしていて、だんだんとそれにシンセサイザーとかドラム・マシーンを加えていくんだ。この時点でぼくにはオーディエンスというものはないんだ。トラックを作っても仕上げたり、誰かに送ったりすることもしてなくて、それでしばらくその音楽と一緒に生きることになるわけだね。この音楽が自分が生活している環境のひとつとなっていくんだよ。ぼくが作ってるのはクラシック音源から派生したようなすごく美しい感じの音楽か、あるいはテンポが常に変化し続けているような音楽のどちらかで、メロディやリズムの軸となるものは特にないんだよ。どれもばらばらになったまとまりのない音楽なんだ」

さらにこのインタヴューでジョンはエレクトロニック・ミュージックについての理解を深めるためにも特にリリースをまったく考えずにただ創作に励むという作業を1年半続けたと説明していて、さらに08年から12年まで同じような試みを続けていたということも明かしていた。

しかし、一部のウェブメディアがこうした発言を「これからはもう音楽を公開しない」と煽って伝え、さらに「ぼくにはオーディエンスというものはない」という部分だけが強調して取り上げられたため、ジョンはこれは自分の発言の真意とはまったく違っていると自分のオフィシャル・サイトで指摘し、次のように説明している。

「たとえばぼくがやっているように純粋に音楽を作るためだけに創作に励む時でも、その趣味性がわかっているような友達のことを頭の片隅において作ると作りやすくなることもあるんだよ。でも、そうすることで自分に縛りをかけることにもなるわけで、それは大衆がこぞって好みそうな音楽を作ろうとすることと同じことになりかねないんだ。だから、ぼくは2014年1月の時点で、そういう意味でのオーディエンスを設定するのをやめたということで、それからは曲を仕上げたり、書いてる途中のものを友達に送ったりするのをやめて、また、曲を1曲ずつ書いて仕上げていくのもやめて、同時にたくさんの題材を書き進めるようにしたんだ。おかげで自分の発想もすごく自由になって、純粋にただ聴いてみるために、そして一緒にそれと生活するために音楽が書けるようになって、しばらくの間、これまでとは違った方向に自分の音楽を成長させることができたんだ。でも、これはずっとそうするという決断ではないんだよ。実際、もうこのフェーズは過去のものとなってるし。だから、『トリックフィンガー』がぼくの最後の作品となるわけじゃないし、そうだとぼくがいったこともないんだ。あのおかしなウェブサイトではそういうことになってるんだけど」

さらに自分にはかけがえのないオーディエンスがついてくれているのもわかっているし感謝しているとジョンは説明し、今回大量に音源も公開したという次第だ。

ジョンのサウンドクラウド・ページはこちらから。
https://soundcloud.com/jfdirectlyfromjf

ジョンのバンドキャンプ・ページはこちらから。
http://jfdirectlyfromjf.bandcamp.com/
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