【コラム】back numberの“クリスマスソング”、なぜこんなにも胸に残るの?

【コラム】back numberの“クリスマスソング”、なぜこんなにも胸に残るの?

フジテレビ系ドラマ『5→9 ~私に恋したお坊さん』(今月12日スタート、毎週月曜午後9:00放送)の主題歌として、ドラマ制作サイドからのオファーを受けて完成させたというback numberの新曲“クリスマスソング”(シングルとしてのリリースは2015年11月18日予定)。すでにドラマのエンディングでも流れ、ラジオでもオンエアされたので耳にした人も多いと思うけれど、これが期待を上回る名曲なのだ。

タイムレスで切ない楽曲世界の構築は、プロデューサー・小林武史の手腕によるところも大きいが、特筆すべきはその歌詞にある。清水依与吏は、今回の作詞に関して、「こんなに苦労したことはなかった」と先日のラジオ(オールナイトニッポン)でも語っていたが、“クリスマスソング”が魂を込めて書かれた曲だということは、一聴してすぐにわかる。

《できれば横にいて欲しくて/どこにも行って欲しくなくて/僕の事だけをずっと考えていて欲しい/やっぱりこんな事伝えたら格好悪いし/長くなるだけだからまとめるよ/君が好きだ》

誰だって経験があるはず。歌詞に登場する《君が好きだ》という、このシンプルな言葉を、恥ずかしいと思う気持ちよりも伝えたいという思いが勝って、やっと胸の奥から引きずり出すまでに、どれほど遠回りしたことだろう。どれほどの着飾った言葉を探したことだろう。清水がこの曲の作詞のためにたどった過程は、私たちが誰かを好きになって、それを伝えたいと思うときのぎこちない気持ちとそのままイコールなのだ。共感、なんていう簡単な言葉はできれば使いたくないけれど、狙った切なさなんかじゃなく、どこまでも「君」を思う気持ちに正直に書かれた歌詞だから、こんなにも胸に残る。(杉浦美恵)
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