キース・リチャーズ、1967年のドラッグ検挙事件の裁判について語る

キース・リチャーズ、1967年のドラッグ検挙事件の裁判について語る

来年2月に南アメリカ・ツアーに乗り出すことを明らかにしているザ・ローリング・ストーンズだが、キース・リチャーズはかつて60年代に薬物で逮捕された時のことを回想している。

ローリング・ストーン誌の取材を受けたキースは1967年にキースの自宅でミック・ジャガーや当時のミックの交際相手のマリアンヌ・フェイスフルらと過ごしていたところを警察のガサ入れに襲われた事件の顚末について語っていて、その後の裁判で判事に対して「俺たちにとっておまえの矮小な道徳観なんてどうでもいいから」と言い放ったことを次のように振り返っている。

「ああ、それね、それ口から突いて出てきちゃったんだよ! 俺はそれまでずっと明らかに汚らしいものを見ている素振りをしていた判事を見つめ続けていたわけで、しかも、たまたまこの人物が魚のすり身で有名な会社の一族の出身だって俺も知ってたからさ。裁判所なんてこの時が初めてだし。すべてがシュールな演劇みたいな感じだったんだ。すると、連中はマリアンヌ・フェイスフルが絨毯を身にまとっていたという話をしだして、マリアンヌだけでなく、蛮族ひとつ分くらいまとえるような絨毯だったとか言い出しているわけだよ(笑)。しかも、『この女性は絨毯以外の衣服はなにも身にまとっていませんでした』というような言い方なんだな。で、事実としては、単純に毛皮のコートを着てただけかもしれないし、テントでも身にまとっていたっていうことかもしれないんだよ。それで、連中がそういうことを挙げ連ねてきた時、俺もついね、『おまえらの矮小な道徳観なんてどうでもいいから』って言い放っちゃったんだよ。こういう発言をすると、ろくなことにならないっていうのはわかってたんだけどね。だけど、こういう局面ではね、『うーん、どうしようかな、全部認めて、判事様、申し訳ありませんでした云々って言おうかな』とか、いろいろ考えが巡ってるもんなんだけど、全然悪いことをしたとは思ってなかったから、思ってることを言おうと決めて、『おまえらの矮小な道徳観なんてどうでもいいから』となっちゃったんだよね」

その一方でイギリスのバンドについてはあまり好みなバンドがいないことを明らかにしていて、レッド・ツェッペリンについてはマネージャーのピーター・グラントが作り上げたバンドだったとも語っている。

「ジミー・ペイジのことは大好きなんだけど、あのバンドとなるとそうじゃなくて、ジョン・ボーナムがあのまるで操縦の利かない巨大トラックのようなドラムで高速をかっ飛ばしている感じになっちゃうとね。なんか、音楽シーンの方向があれで一方的に決まっちゃったんだよね。ジミーは素晴らしいプレイヤーだよ。でも、あのバンドに関してはなんかちょっと空っぽなところも感じたりしたんだよね」

また、特にロバート・プラントが好みではなかったとキースは打ち明けつつ、ザ・フーのロジャー・ダルトリーについても次のように語っている。

「たとえばさ、ダルトリーなんかもずっと、まやかしだなって思ってきたからね。ピート・タウンゼントはずっと昔から大好きだけど、ザ・フーについてはやっぱりずっと昔からおかしなバンドだなって思ってきたよ。(キース・)ムーンだって、一緒にセッションをやっても、『スウィングする感じで叩いてくれよ』って言ってもできないんだよ。キース・ムーンはとんでもないドラマーだったけど、それはピートとやってる時だけに限られたことだったんだ」

「でも、ピートに対してはほかの誰にもできないドラムを提供できたんだよ。ただ、誰かに声をかけられてセッションに放り込まれたりすると、もう交通事故にしかならないんだ。だけど、それはそれで全然いいことなんだよ、人によっては絶対にうまく描けるっていう筆を一本だけ持ってるってことがあって、それを徹底的にロックしていくわけだから。ただ、俺の場合、実はあんまりイギリスのロックンロール・バンドに興味を持ってたわけじゃないんだ。っていうか、まるでね。ジョニー・キッド・アンド・ザ・パイレーツとかは好きだったけど、そんなの俺たちがデビューする前の話だし。とにかくね、イエスとか、ジャーニーとか、ああいう手合いにはちょっと寒くなってくる感じがあったよね」

また、自分の好きなストーンズのアルバムについては「『ならず者』と『スティッキー・フィンガーズ』だね。それと時々『ベガーズ・バンケット』も好きになるね。それと実はたまに『ブリッジズ・トゥ・バビロン』が聴きたい時もあるんだよ」と語っている。

なお、キースはストーンズの新作制作について、来年2月の南アメリカ・ツアー以降に着手するという見込みが濃厚だとも語っている。
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