【コラム】LiSA、アニソンとロックで己の限界を超越する彼女のアティテュードとは?

【コラム】LiSA、アニソンとロックで己の限界を超越する彼女のアティテュードとは?

ロックアーティストが例外的な「越境的表現」としてアニソンを手掛けて上手くハモった例は数多あるし、ロックを凌駕するほどの普遍性や訴求力を持ったアニソンも数えきれないほど存在する。が、ロックとアニソンをどちらも必然的な「自分自身の表現」として体現している人は極めて稀だ。心の奥底に渦巻く感情を、時にアニメ作品の世界観を深く呼吸しながら全身全霊傾けて歌い上げていくことが、同時にロックのスリルとポップのダイナミズムを生み出していく――LiSAという人はまさにそういう表現者である。ということを、最新シングル曲“Empty MERMAiD”はリアルに伝えている。

LiSA 『Empty MERMAiD』-MUSIC CLIP Short Ver.-

たとえば“träumerei”のようなネガティヴな感情を暴く曲でも、“エレクトリリカル”のようなカラフルな躍動感を放つ曲でも、LiSAの歌にはリミッターが一切存在しない。「自分の世界を構築する」ために歌と楽曲があるのではなく、楽曲の世界観と物語性に身を任せて己の限界をも超えようとするその姿が、強烈なまでのロックとポップを描き出し、聴く者すべての衝動を突き動かしていく――そんな攻撃的なアティテュードこそがLiSAの世界そのものである、ということだ。「何を」表現するかよりも「どう」表現するかという点において、LiSAは紛れもなくロックアーティストである、と言い換えてもいい。自分自身の闇を歌っても、アニメの物語世界と響き合っても、彼女の歌が熱く胸を揺さぶって止まないのはそのためだ。

そして。そんなLiSAのヴァイタリティをよりいっそう鮮明に伝えているのがライヴだ。今年1月には自身2度目となる日本武道館ワンマンライヴ「LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~」を2日間にわたって行ったLiSA。4月〜7月の全国ライヴハウスツアー「LiVE is Smile Always~Launcher~」(10月に一部振替公演を開催)、アジア5都市を巡った6〜7月の「LiVE is Smile Always~ASIA2015~」を経て、来る2015年12月23日(水・祝)には幕張メッセにて自身最大規模のワンマン「LiVE is Smile Always〜メガスピーカー〜」の開催が控えている。彼女の放射するエネルギーから、いよいよ目が離せない。(高橋智樹)
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