【コラム】ONE OK ROCK、北米メジャーデビューは「快挙」ではない、必然そのものだ!

【コラム】ONE OK ROCK、北米メジャーデビューは「快挙」ではない、必然そのものだ!

いよいよこの日がやってきた。ここRO69ニュースでも大きな驚きと感激を呼んでいた、米メジャーレーベル=ワーナー・ブラザーズ・レコードとの契約発表(http://ro69.jp/news/detail/127061)から2ヶ月半。ONE OK ROCKの北米デビュー盤となる『35xxxv Deluxe Edition』がついにリリースの時を迎えた。

ジョン・フェルドマンやアーノルド・ラニといった辣腕プロデューサーを迎えてアメリカでレコーディングを行ったそのサウンドの段階で、『35xxxv』はすでに洋邦の壁を無効化するダイナミズムを十分に備えていた。が、『35xxxv』の13曲に新曲2曲=“Last Dance”“The Way Back”を加えた計15曲を全編英語詞でコンパイルした『35xxxv Deluxe Edition』の存在感はすごい。今のONE OK ROCKが鳴らす音が「世界に飛び出した邦楽ロック」とは一線を画した「日本が育んだ『世界基準のロック』」であることを、今回の北米盤は改めて明確に告げている。

ONE OK ROCK - Last Dance [Official Music Video]

超弩級のエネルギーと衝動を撃ち放ち、加速度的に日本ロックシーンの頂へと昇り詰めてきたONE OK ROCKだが、彼らの音楽がメンバー自身のステイタスやファッション性の向上、アーティストエゴの実現、あるいはネガティヴィティやルサンチマンの開放といった「私的な」目的のツールとして使われることは一度たりともなかった。ロックバンドはロックバンド自身のためだけに存在するのではなく、人前に立った時点でリスナー/オーディエンスの期待と希望を背負う存在である――という命題を、彼らは当初から自身の核として内包していた、ということだ。

だからこそ彼らは、どんなパーソナルなテーマから出発した曲も、シリアスな苦悩や葛藤に満ちた言葉も、最後には聴く者すべてを途方もないスケールの地平へと突き動かす強烈な波動として響かせ続けてきた。彼らが「世界基準のロック」へと進化したことは取りも直さず、その類稀なる音楽的資質によるものだけでなく、「ロックの限界を越えた風景を僕らに提示すること」を使命として闘う彼ら自身が招いた必然そのものだ。

先日幕張メッセで行われたツアー追加公演でも、雄大なロックバラード“Fight the night”は聖歌のような荘厳かつ晴れやかなヴァイブに満ちていたし、“Mighty Long Fall”は会場激震の躍動感と熱量を生み出していた。そして、Takaは「この瞬間をずっと味わえるように、一生懸命頑張ります!」と満場のオーディエンスに熱く呼びかけ、「No.1のバンドのファンは絶対No.1です!」とその想いをダイレクトに伝えていた。北米メジャーデビューはONE OK ROCKにとって「快挙」ではなく、その音に触れるすべての人を最高の次元へ導く上で、当然立つべきスタートラインだったのだろう。ONE OK ROCKと同じ時代を生きていられることを、心から誇りに思う。(高橋智樹)
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