THE ORAL CIGARETTES、「起死回生」を誓ったZepp 公演。今こそ涙のあの夜を振り返る

  • THE ORAL CIGARETTES、「起死回生」を誓ったZepp 公演。今こそ涙のあの夜を振り返る - all pics by Viola Kam

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全国ワンマンツアー「~唇ワンマンJAPAN TOUR 2015 ~おまたせBKW!! 9ヵ所行脚でエリア拡大、改めまして『ジ』オーラルシガレッツです!の巻~」を敢行してきたTHE ORAL CIGARETTES。2015年7月14日、そのセミファイナル公演が、Zepp DiverCityにて行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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日本地図にツアーで廻った都市をマーキングする映像。ステージ後方には「ジ オーラル シガレッツ」の幕。深紅の照明とともに4人が登場すると、大きな歓声が上がる。——そんなシーンから始まったワンマンツアーのセミファイナル。以下でこの日の出来事を追っていこうと思う。

山中拓也(Vo・G)の「かかってこいよ」を合図に1曲目は“GET BACK”。あきらかにあきら(B・Cho)は早くもお立ち台の上でフロアを煽り、鈴木重伸(G)の熱量高いプレイを受けてオーディエンスも拳を突き上げる。曲間に中西雅哉(Dr)のリズムを挟みセットリストが進むなか、山中の声は本調子とは言い難かったが「全力でやるよ」と宣言。しかし6曲目“自動販売機の男”でとうとう声が出なくなった彼はその場に屈み、そのままステージから去ってしまう。その間、鈴木、あきら、中西はオーディエンスに事情を説明。ツアーが始まったころには既に山中の調子が悪かったこと。それでもツアー、そして今日が楽しみだったこと。リハ中、山中は強がりながら「全然大丈夫やで」と笑っていたのだということ。一つひとつ丁寧に話してくれた。モノマネやMCで場を繋ぎながらもなかなか戻らない山中を心配して「ちょっと様子見てきます!」と捌ける3人。ついにライヴは中断、会場には開場時にも流れていたBGMが響く。

演奏中断から20分ほど経ち、再びステージに4人が戻ってきた。「こうなったのは自分の責任だし、メンバーにもみんなにも迷惑かけました。でもここでライヴをやったんだってことを刻みたいので、あと5、6曲……分からないけどやれるだけやらせてください。聞きづらい歌かもしれないけど一生懸命歌うから」。揺るぎない意志のもと戻ってきた山中が、涙ながらに深々と頭を下げる。フロアからの激励の拍手ののち、ライヴは再開したのだった。

懸命に歌う山中。頼もしさを見せるあきら&中西のリズム隊。抱いた感情全部乗せのソロを炸裂させる鈴木。「あなたはヒーローを信じますか?」と “STARGET”が何度も立ち上がるオーラルの生き様として鳴らされた瞬間、あなたの瞳に4人の姿はどう映るだろうか。そして挑発的な言葉を多く詰めながらも流麗でリズミカルな新曲“カンタンナコト”に、手応えを感じたのはバンド側だけではない。床は大きく揺れ、新曲とは思えない盛り上がりを生んだのだった。暗転の度に上がる山中への声援。そして“起死回生STORY”ではフロアからデッカい歌声が——人と人との繋がりの場としてライヴを大事にする彼らが守ってきたのは、こんなにも温かな場所だったのだ。その証明のような景色が、Zepp DiverCityに広がっていく。

アンコールを求めるものというより、バンドへ何かを伝えたいという想いの結晶のような優しい拍手が起きた終演後。そして4人は再登場。「(ライヴ中)いつ帰ってもおかしくなかったと思う。でもみんなずっと待っててくれて……。オーラルが、オーラルだけのフロアを作れたんだなって感動しました」。泣き顔の山中と、もらい泣きしたあきらを、鈴木と中西が支えながらステージをあとにしたのだった。

サイレンが鳴り渡り巨大幕が上がった「キラーチューン祭り」の演出。当初予定されていたアコースティックでの演奏。フェス会場&配信限定シングル『カンタンナコト』。「ワンマンだからこそ伝えたいことがたくさんある」という想いの表れのように新たな試みが多数見受けられ、この日に向けてたくさん準備してきたのだということが伝わってきた。だからこそ悔しさは残るだろう。いつかこのZepp DiverCityで必ずリベンジすると宣言した彼ら。3日後のなんばHatch公演が予定通り開催されたことからもバンドが前を向いていることは明らかだ。そう、この日をバンドの糧にできるのは未来のTHE ORAL CIGARETTESのみだし、「失ったものも得たもののある」と語る本人たちがそれを人一倍感じたはず。すべてを翼に変えて羽ばたく未来を、信じながら今は待ちたい。(蜂須賀ちなみ)

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