スリップノットのコリィ、キッスのジーン・シモンズの「ロックは死んだ」発言に反論

スリップノットのコリィ、キッスのジーン・シモンズの「ロックは死んだ」発言に反論

今月から北アメリカ・ツアーに乗り出すスリップノットだが、コリィ・テイラーはキッスのジーン・シモンズの「ロックは死んだ」という発言に反論している。

ジーンはファンが音楽を買わなくなったため、音楽業界もロック業界も衰退したという持論をここのところよく語っているが、これについてコリィはフロリダのWHPT局に出演し、次のようにジーンの持論について語っている。

「その話ってもう飽き飽きしてるし、シモンズさんを悪く言いたいわけじゃないけど、ロックが死んだとか言ってる時、それはかつてのような、アルバム、ツアー、アルバム、ツアー、アルバム、ツアーっていう昔の仕事のサイクルがうまくいかなくなったっていうことだと思うんだけど。もうそういうやり方じゃないんだからさ。この業界の歴史を続けて、トップで君臨していくためにはほかにもいくらだってやり方があるんだよ。つまり、ダウンロード・フェスティヴァルにヘッドライナー出演し、会場を見回せば、わかるわけだよ。ロックが死んだって? はいはいって。夜の11時半で雨が降ってて、お客さんが8万5千人いるのに、誰も帰らないんだよ。なのに、ロックが死んだって? はいはい」

「唯一、変わったところがあるとすると、アルバムのセールスだよね。でも、ロック・ファンの数は昔と変わらずしっかりいるわけで、まったく新しい世代も育ちつつあるわけだからね。っていうか、昔契約させられたような契約って、それに実を言うとそれは今だって変わってないんだけど、5、600万枚くらい売らないとあんまり儲けは出ない感じになってたんだよ。そもそも俺みたいな人間にとっては、アルバム・セールスでお金を稼ぐっていう話じゃなかったわけでね。もちろん、売れたら嬉しいけど、それが肝ってもんじゃなかったんだよ。

だから、これはずっと言ってきてることだけど、このバンドの成功について誰よりも驚いてるのは、俺たち自身なんだ。駆け出しの頃の俺たちっていうのは『うまくいけば、アルバムが20万枚くらい売れることもあるかもしれないし、それとツアーができるな』っていうバンドだったんだ。とにかく1年半びっちりツアーをして、ファン・ベースを作っていこうっていう。それがいきなり、すべてが大爆発して、俺たちとしては『なんだ?』ってことになったわけだよ。もうすっかりびっくりしたよね。だから、アルバムを収入の当てにしようなんて思ったこともないんだよ。俺たちにとってアルバムは名刺代わりのようなものなんだ。ファンのみんなには音楽を聴いてもらっているといいなとは思うけど、でも、音楽を売ることはそれほど重要なことではなくて、そのバランスが今ではすごく重要なんだよ。

というのは、今だってファンはCDを買うけど、同時にアイチューンズでも音楽を買ってるし、スポティファイでの定額も払ってるかもしれないんだよね。だから、決して音楽を聴いてないわけじゃないんだよ。そういうお客さんがライヴに来てくれて、新曲をやってみた時にそれがものすごく盛り上がったりした時、そこが重要なことなんだから。そういうライヴがすべてなんだよね。たとえば、今回のツアーから俺たちは"キルポップ"をやるようになってるわけだけど、ビデオもその1週間前に公開したばかりだったんだよ。その後、この曲をやればやるほど盛り上がりは大きくなっていって、ついにはお客さんがしっちゃかめっちゃかになるところまでいくわけだよ。だけど、これは新曲なんだよね。だから、アルバムというのは、みんなに参加してもらうきっかけにするものであって、それをさらに先に繋げていくわけだよ。で、それをやっていくうちに、ツアーもやれるようになって、レコードも売れたら、それはそれで儲けもんだっていうことだね。でも、それがどうなるかなんてあれこれ悩んでもしようがないんだ。っていうのは、結局のところ、音楽を所有してもらえるかどうかって話じゃなくて、音楽を知ってもらえるかどうかって話なんだからね」

さらにポール・グレイが2010年に急死した時点でバンドを続けるかどうかを考えたことを次のように明らかにしている。

「どうなんだろうってみんなで考えてる時期は確かにあったんだよね。ポールが亡くなった後にやったツアーでもまだわからないところがあったからね。だから、しんどかった。どのライヴもしんどかったんだ。でもね、だんだん楽になってきて、それはどうしてかというとファンのおかげだったんだ。っていうのは、ファンに必要とされてたからで、俺たちもまたファンのみんなと同じくらいにファンを必要としてたからなんだ。だから、自分たちのファン・ベースを再発見し、みんなで支え合って立ち上がっていく作業だったんだよ。いろいろあったことを考えると、ファンのみんながまだ待っていてくれたこと、みんながまだ俺たちを支えてくれるつもりだったと知って嬉しかった。俺たちがこれまでやってきたように活動を続けていけば、みんな俺たちのことを待ってくれているとわかってね。

だから、今回の『.5:ザ・グレイ・チャプター』を出した時には、あるいはレコーディングのためにスタジオに入った時点で、俺たちもすっかり情熱が戻ってたんだよ。だから、『これからポールの話をしたいと思うんだけど、ほかにもこんなことをやりたいんだ』っていう感じだったんだ。やっぱりファンっていうのは、そこに嘘があると、車ん中で屁をこくのと同じですぐにばれるんだよ。だから、なにか不誠実なことをやると、見せかけだけのことをやると、みんなにはわかるし、みんながすぐに応援してくれるのと同じように、すぐに引っ剥がされるから。そういう意味で俺たちの場合、自分たちの心の言うままについてきたことがよかったんだ。いったん打って出てみると、特にノットフェスの最初のライヴはね、『さーて、どう転ぶかな』って感じだったけど、結果は素晴らしかったからね。だから、俺たちは今は本当に恵まれてると思うよ」
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