ノエル・ギャラガー、オアシスが今活動してもかつての衝撃は微塵もないはずだと語る

ノエル・ギャラガー、オアシスが今活動してもかつての衝撃は微塵もないはずだと語る

2月に新作『チェイシング・イエスタデイ』をリリースするノエル・ギャラガーは昨今のチャートの単調さやアーティストの不甲斐なさ、あるいは音楽業界の官僚的な体質を批判している。

NMEの最新号でオーストラリアのシンガー・ソングライターのコートニー・バーネット、スリーフォード・モッズのジェイソン・ウィリアムソン、ラ・ルーことエリー・ジャクソンとの座談会に参加したノエルは音楽業界の現状について次のようにぼやいている。

「今チャートで1位になったりしたら、それは自動的にそいつはクソに違いないってことを意味してるんだ。今のバンドは音楽業界に頭を下げて業界入りするわけで、音楽業界ではチャートのスターにどういう連中がほしいのかもすべて事前に決めてあるんだよ。だけど、チャートそのものはいつも同じ内容なんだ。トップ10に入ってるクソ曲はどれも違う声を使った同じ曲でしかないんだよ」

また、ノエルはアーティストがレコード会社に及ぼす影響力がかつてと較べて著しく低下してしまったことを次のように振り返っている。

「昔はアーティストが音楽産業を動かしてたもんだけど、でも、ブリットポップで音楽業界も態度を変えたか、なんだかしたんだよね。今じゃね、バンドは音楽業界にお伺いを立てて『ご所望のものはなんでございましょうか? そういうものならご用意させていただきます』って感じなんだよ。でも、俺たちが登場した頃は、しかも、そんな企てがあったわけでもなんでもなくて、純粋に偶然でそうなっちゃっただけなんだけど、音楽業界も気圧されて後ずさりしたんだよね。それで『なんなんだ、こいつら? こいつら全員薬中か頭がおかしいし、こいつらのせいでやたらと相場もコストも高くなっちまうよ! 全員殲滅しなきゃだめだ!』って慌てだしたんだよね」

さらにノエルは次のようにつけ加えている。

「もしオアシスが明日から活動を始めたんだとしたら、かつての衝撃なんかその微塵もないはずだよ。というのは今じゃバンドについての判断も最初のライヴで全部決まっちゃうもんだし、BBCのラジオ1局もバンドのフェイスブックのフォロワーの数でバンドを判断する時勢だからね。オアシスなんてクリエイション・レコードではA&Rもいなかったんだぜ。王国への鍵だけ与えられて『じゃあ、しっかりやれよ、またそのうち様子見に来っから』って感じだったからね。今じゃバンドのマネージャーはレーベルのA&Rの部下で、そのA&Rにはさらに上司がいて、その上司はクビになるかどうかってことしか考えてないんだ」

ノエルは昨年末BBCラジオに出演した際、カサビアンやアークティック・モンキーズらがワーキング・クラスの後進バンドを触発していないのが「情けない」と語っていて、現在のバンドについての物足りなさを次のように語っていた。

「音楽は本当に中流的なものになっちゃってるよ。これが90年代だったら、俺だってバスティルなんてクソミソにやってつけてただろうし、インタヴュー1本だけで完膚なきまでに叩き潰して二度と誰の眼の前にも現れないようにしてやったはずだよ。そんなことは朝飯前だぜ。うちのベーシストがこの辺をうまく言い表してて、つまり、俺たちはいつも『次のバンドはどこからくるんだ?』って口にしてるわけだけど、うちのベーシストの話では『っていうか、バンド云々の前の話だから。やる気のあるやつはどこ行っちゃったんだ?』っていうね」

(c) NME.COM / IPC Media 2014
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする