ディアンジェロ、ファーガソン黒人少年射殺事件を受けて新作リリースを繰り上げていた

ディアンジェロ、ファーガソン黒人少年射殺事件を受けて新作リリースを繰り上げていた

14年ぶりとなる新作『ブラック・メサイア』を12月15日(月)にリリースしたディアンジェロだが、ツアー・マネージャーのアラン・リーズは、同新作がミズーリ州ファーガソンで起きた警察官による黒人少年銃撃死事件とその後の抗議活動へのディアンジェロなりの返答となっていて、3週間ばかり前に完成させたものだったと語っている。

2000年の『VOODOO』以来となる新作はもともと2015年のリリースに向けて動いていたというが、ファーガソンでの黒人少年マイケル・ブラウンの銃撃死と少年を銃撃した警官が不起訴処分となったことに対してファーガソンをはじめ全米各地で抗議運動が勃発したことを受け、アルバムに関わっていた関係者全員が一刻でも早くアルバムをリリースしたいという気持ちに駆られたとニューヨーク・タイムス紙が伝えている。

リーズはディアンジェロとのやり取りの中で「俺の表明の仕方のひとつは音楽を通してだ。俺は今自分の感じていることを表明したい」とディアンジェロから言われたという。

また所属レーベルのRCAでも14日に試聴会が行われ、レーベル社員の多くもここで初めて新作の音を聴くことになったという。ディアンジェロのスタジオ・エンジニアを務めたラッセル・エレヴァードは、アルバムは完成間近の状態が2年半続いていたが、11月末になってようやく完成を見たと明かしていて「オーブンから出してきたばっかりのようなもんで、まだほっかほかなんだよ」と説明している。

12曲が収録されたこのアルバムには、Q-ティップのほか、ザ・ルーツのクエストラヴ、パーラメント=ファンカデリックのケンドラ・フォスターらが参加していて、これまでのディアンジェロの作品の中でも最も政治的な内容を誇っているという。リリース時のプレス・リリースでディアンジェロは次のように語っている。

「『ブラック・メサイア』なんてアルバムの題名としてとんでもないものだと思うし、なかには宗教についてのタイトルかと思う人もいるはずだよね。あるいは俺が自分を黒い救世主と呼んでいるんだと早合点する人もいるかもしれない。でも、俺にとってこのタイトルは俺たち全員のことを言い表してるものなんだ。この世界について言ってるんだよ。みんなが望むべきひとつの理想のことを言ってるんだよ。俺たちは全員がそれぞれにブラック・メサイアになろうとするべきなんだ」

「これはファーガソンやエジプトやオキュパイ・ウォール・ストリートなど、各地のコミュニティでもう我慢がならないと人々が蜂起して、自分たちから変化を実現させると決意することについて言ってるんだ。だから、あるカリスマ的な指導者を褒め称えるものではなくて、何千人もいるそういう人たちを祝福するものなんだよ」

なお、ディアンジェロは来年の2月からヨーロッパ・ツアーを敢行する予定になっている。

『ブラック・メサイア』のトラックリストは以下の通り。
Ain't That Easy
1000 Deaths
The Charade
Sugah Daddy
Really Love
Back in the Future (Part I)
Till It's Done (Tutu)
Prayer
Betray My Heart
The Door
Back in the Future (Part II)
Another Life

(c) NME.COM / IPC Media 2014


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