ボブ・ディラン、ごく初期の未発表曲自筆歌詞原稿がオークションに

ボブ・ディラン、ごく初期の未発表曲自筆歌詞原稿がオークションに - 1963年作『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』1963年作『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』

ボブ・ディランのごく初期の手書き歌詞原稿がオークションに出品され、それぞれに5万ドル(約590万円)近くの値をつけるのではないかとみられている。

歌詞は1962年作の未発表曲"Talkin' Folklore Center"と63年の未発表曲"Go Away You Bomb"のもので、タイプもしくは手書きで書かれた上にボブの自筆による修正や加筆が加えられているという。原稿はいずれも、フォーク関連のレコードと書籍を扱いニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンで大きな影響力を誇った「フォークロア・センター」のオーナー、イジー・ヤングに贈られたもので、当時のボブの様子をイジーは次のようにザ・ニューヨーク・タイムス紙に次のように振り返っている。

「最初ディランは店に入ってくる誰とも同じような感じだったけど、しばらくすると人とは違ったものを持っているのに気づいたね。店に置いていたレコードはひとつ残さずどれも試聴していたからね。フォーク専門誌だけじゃなくて、学者が書いたような共産主義についての本なんかを読んでるのもディランだけだった。店においていた本はすべて読み漁っていたよ」

なお、"Talkin' Folklore Center"はフォークロア・センターについての曲を書いてほしいというイジーからボブへのリクエストに応えて書かれた作品だったという。なお、この曲は正式にリリースもレコーディングもされたことはないが、歌詞の一部はファーストの"ニューヨークを語る"に流用されているという。

その一方で"Go Away You Bomb"はイジーがボブに反核メッセージの歌詞集の出版を企画していると伝えたところ、ボブがその翌日に持ち込んできた歌詞だという。結局この歌詞集が出版されることはなかったが、当時ボブが制作していた『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』の楽曲における時事性と通じる作風になっているという。

今回歌詞はクリスティーズのニューヨーク店のオークションで出品されるが、"Talkin' Folklore Center"については4万ドル(約480万円)から6万ドル(約710万円)、"Go Away You Bomb"については3万ドル(約360万円)から5万ドル(約590万円)での落札が見込まれているという。なお、"Go Away You Bomb"については昨年ロンドンでオークションに出品されて買い手がつかなかったが、クリスティーズではオークションの開催地が間違っていたのであり、ニューヨークでなら買い手がつくはずだと説明している。また、売主のイジーは70年代にスウェーデンのフォーク・ミュージックに傾倒してからスウェーデンに移住してフォーク関連店を開業していて、売却金はその店の営業資金に当てるという。

歌詞のオークション・ページはそれぞれこちらから。
http://www.christies.com/lotfinder/books-manuscripts/dylan-bob-original-manuscript-and-typescript-5855939-details.aspx

http://www.christies.com/lotfinder/books-manuscripts/dylan-bob-original-typescript-for-the-song-5855940-details.aspx

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