ノエル・ギャラガー、コーヒーやアプリの代わりに音楽を勧める&モリッシーとの逸話

ノエル・ギャラガー、コーヒーやアプリの代わりに音楽を勧める&モリッシーとの逸話

来年2月にソロ新作『Chasing Yesterday』をリリースすることを明らかにしているノエル・ギャラガーだが、音楽サイトのノイジーの動画インタヴューに応えていて、ラッセル・ブランドやモリッシーなどについて語り、子煩悩な一面なども披露してみせている。

昨年左翼系政治誌ニュー・ステイツマンの特別編集長を経験してから、政治活動にいそしむようになったと伝えられるラッセル・ブランドだが、最近のラッセルについてノエルは次のように語っている。

「ラッセルにはついこの間も会ったんだけど、真顔でこう言ってたね。これから革命が起きるんだって。だから、三つ又を持って討ち入りをしかける時には俺にも声をかけろよって言ったんだけど。暴動や焼き討ちの伴奏をやってやるよって。女王を吊し上げに行く前にね。で、ラッセルが、おまえも自分たちの運動の支援をしろよってけしかけてくるから、俺はこう言ったんだよ。『だったら、革命がちゃんと成った時には俺をマンチェスター公爵にするって約束してもらわないとな』ってね。その縛りで俺も集会に行くこともあるかもしれないんだけど、ラッセルの言ってることって全部冗談だったりすることがよくあるんだよね」

最近の音楽業界について思うことは次のように語っている。

「音楽業界は今はまるで収拾つかない状態だよね。いや、ほんと驚いちゃうのは、それと実は頭に来てるのは、みんなね、コーヒー店に入ってコーヒー2杯に10ポンド(約1820円)使うんだよね。それで友達と天気の話をして、このコーヒーで粘ってられるのもせいぜい45分くらいなんだ。それが一生聴けるようなアルバムを同じ10ポンド使って買ってくれって言われると、こういう連中はマジで怒り出すんだよね。でも、アルバムだったら一生持つだけじゃなくて、そのアルバムは自分自身についてなにか教えてくれるかもしれないし、自分の人生を変えてくれるかもしれないし、あるいは自分のみてくれとか恰好を変えるきっかけになってくれるかもしれないのにね。ほんとだから今は不思議な瞬間を生きてるんだよ。人々は喜んでゴミにお金を使いたがる時代なんだ。みんなはだってアプリには喜んでお金を使うわけだろ。ほんとにくだらないし、ばかげてるよね。おならの音を鳴らす携帯のアプリとかさ。携帯に入ってるアプリが50個に満たない人なんてそうそういないわけでさ、どれもクソゲームで、テレビゲームとか、おススメソフトで、ひっくるめて500ポンド(約9万1000円)くらいにはなるんだぜ。500ポンドあればどれだけアルバムが買えると思ってるんだよっていう。具体的に何枚かはわからないけど、相当な量の音楽にはなると思うよ」

ビデオの製作についてはどう思うかという問いには次のようにいかに苦手かとぼやいてみせている。

「俺はビデオは嫌いなんだよね。ぶっちゃけ言って、俺はなにもビデオに出演したくて音楽の世界に飛び込んだわけじゃないんだから。俺はカイザー・チーフスのメンバーとは違うんだよ。オアシスとビデオを作るのも大嫌いだったし、ポール・ウェラーとも何本か作ったけど、これも嫌だったし、特にやりたいことじゃないんだよ」

その後、モリッシーとの面白いエピソードはなにかないのかという問いには次のようにモリッシーが新作に貢献してくれたことを明かしている。

「前回LAに行った時、この時もラッセル(・ブランド)とつるんだんだけど、ラッセルから『モリッシーに会いに行こうよ』ってけしかけてきたんだ。これがまた、生まれてこの方最高に楽しかった一夜のひとつになったね。ほんとおかしくてさ。みんなでバーに行ったんだけど、モリッシーは店でかけるために自前のCDとか持ち歩いてて、といっても別に自分の作品じゃないんだけど、それを店にかけさせるんだよ。店でかかってるCDの演奏をわざわざやめさせてさ(笑)。で、『これをかけなさい』って感じで。それから3人でダベってると、話の途中で突然、『この曲のタイトル当てられる?』って振ってくるんだよ。もう聴いたことない曲だし。するとブライアン・プロセローのものだったんだ。結局、その晩は酔い潰れて、ひどい宿酔いになって、翌日ラッセルにメールで昨日のあの曲なんだっけって訊いたんだよ。そうしたら、ブライアン・プロセローだっていうから、ダウンロードで買ったんだよ。その後、ロサンゼルスを発つ前の晩、つまり、最後の曲をやる前の晩にスタジオに居合わせた連中にこのブライアン・プロセローをたまたま聴かせてたんだよ。聴きながら、みんなでこれすごいよねって話になってて、そこで急に閃いたんだよ。『そういえば、あの曲、このスタイルでやればいいんじゃないのかな』ってね。それでその曲をちょっと書き直してみたんだよね。そうしたらもう、なんとびっくり、魔法が起きたんだよ! というわけでモリッシーありがとう! といってもクレジットもなにもあげないけど。感謝の気持ちだけは送っとくよ」

海外にいるとイギリスのクリスプ(ポテト・チップス)が恋しくなったりしないかという問いについては次のように答えている。

「うん、イギリスを後にするとクリスプスがどうしてもほしくなってくるよね。アメリカのは……なんかもう袋からしてデカすぎてさ、食うのに一月くらいかかりそうな感じだからな。イギリスにはうまいクリスプスが多いよね。イギリスの最高の塩味となったらスクエアズだな。あれ以上に塩と酢が利いてるものが出てきたら、俺もさすがに驚くよ。ちょっとね、(顔をしかめて口をすぼめる)すッパ……って感じではあるんだけど、旨いんだよね」

子供たちはプライヴェートではロンドンの訛りがあるのかという問いには次のように答えている。

「いや、うちの子たちは、コックニー訛りがあるわけじゃなくて、あのちょっとお上品な学校の訛りがあるね。だから、ドラーフト(draught)って言うんだよ。『パパ、この部屋ドラーフト(ひんやり)してるね』って調子でさ。俺はドラフトって言うんだけどね。まあ、俺の方こそ訛ってるってことなんだろうけど。子供たちはいい子だよ。特に娘はね」

家庭では子供たちの聴くべき音楽などをノエルが決めているのかという問いには次のように答えている。

「なんか世の中の人たちはみんな俺にあるイメージを持ってるみたいで、いかにも日曜日には俺が家族に『だから、日曜日はビートルズの日だと言ってるだろう!』ってやかましく言ってるようなイメージがあるみたいなんだね。今日は『ホワイト・アルバム』を聴くぞ、ちゃんと逆回転で聴いて悪魔のメッセージを聴き取るんだぞってわめいているような感じでさ。でも、子供は子供で自分で勝手にいろいろ聴かないとさ。そうやって自分たちなりのポップ・カルチャーを作らなきゃだめなんだよ。一番上の息子はどういうわけか、今U2にどっぷりはまってるよ。あのU2の新作にぞっこんだから。(俺のものを)なんか聴かせてやろうかなあと思ってたらさ、イヤホン外して『このU2の新譜聴いた? すごいいいよ!』とか言うんだもんさ(笑)」

また宿酔いは今もよく経験するのかという問いには次のように答えている。

「俺は今だって宿酔いだよ。昨日、昼飯を食いに行って、それがいつまでも終わらなかったんだ……最悪だよ。歳を取れば取るほど宿酔いはひどくなっていくものなんだ。時にはね、よく目が見えなくなってくることがあってすごいやばいんだよ。特にヨーロッパにいると、ひどい宿酔いになることが多くて、すると、街で道路が左側通行だったか右側だったか忘れちゃったりすることがよくあってさ。それでアムステルダムで10回以上、車に轢かれそうになったことあるよ。バイクやちんちん電車とかいろいろとね。ほんと恐ろしいよ。でもね、誰でも30歳になって、誕生日の翌日に目が覚めてみたらわかるから。なんで背中がこんないてーんだよ……ってね。それが宿酔いなんだよ」

ノエルの動画インタヴューはこちらから。

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