ウィルコ・ジョンソン、膵臓がん克服を発表

ウィルコ・ジョンソン、膵臓がん克服を発表

昨年1月に膵臓がんの末期だと診断されたことを明らかにしたウィルコ・ジョンソンが、病を克服したと発表している。

ウィルコは化学療法を拒否し余命10ヶ月との宣告を受けたが、根治手術に踏み切り腫瘍を取り除いたのだという。「手術は11時間かかった」と、彼はロンドンでのQアウォーズ授賞式の際、BBCのインタビューにそう話している。

「3キロもある腫瘍で――赤ん坊サイズだよ」それから彼は続けた。「ともあれ、もう全部とり除いた。おかげで元気になったよ」

到底予想していなかった根治をきっかけに、ウィルコは自分の人生を改めて考え直したという。

「あまりに奇妙でふしぎで、自分の頭のなかでうまく収められない感じだ。今はだんだんと、自分が死を目の前にしているのではないのだと納得できるように慣らしているところかな。まだ俺の人生は先があるんだとね」

がん宣告を受けたときのことについて、ウィルコは昨年GQのトニー・パーソンズに次のように語っていた。

「これから、体だけでなく、心も仕切り直さないといけない。末期がんと言われたとき、まず反応として現れたのは、陶酔みたいなふわわした気分だった。医者は図を使いながら説明して――ね、ここに塊がありますね。残念ながら我々にはどうにもできません。あなたはがんです。死ぬ運命です。そう聞いてもまるで動揺しなかった。これっぽっちも。医者からまた少し説明を受けて、俺は頷きながら聞いていた。それから家まで歩いて帰って――1月、とても美しい冬の日だった――青空を背にした木々を見上げたとき、さあっと胸にこみ上げてきたのを覚えてるよ――いまの俺は生きてるんだな、と。ほんとにすごく強く、そう感じた」

ウィルコはさよならツアーと同時に、ザ・フーのロジャー・ダルトリーと組んでアルバムをレコーディングした。この作品、『ゴーイング・バック・ホーム』はイギリスで大ヒットを記録。新曲を加えたデラックス盤が11月に発売予定となっている。ウィルコ本人がQアウォーズ授賞式で言ったとおり、「10月に死ぬはずで、レコーディングしたのは去年の11月」。ウィルコによれば、「すごく変」だが「とても楽しい」アルバムだとのこと。

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