全盛期ファンカデリックのアルバムで活躍した謎のギタリストとは

全盛期ファンカデリックのアルバムで活躍した謎のギタリストとは

パーラメント=ファンカデリックのジョージ・クリントンは、1975年のファンカデリックの傑作『レッツ・テイク・イット・トゥ・ザ・ステージ』の"ゲット・オフ・ユア・アス・アンド・ジャム"のギターが実はエディ・ヘイゼル、マイケル・ハンプトン、ゲイリー・シャイダーなどのバンドのギタリストの演奏によるものではないことを明らかにしている。

ジョージは10月21日に自伝『Brothas Be, Yo Like George, Ain't That Funkin' Kinda Hard on You?』を刊行しているが、この曲のギターを担当した人物について本の中で次のように振り返っている。

「テイクを一つ終えて、一服入れるかなんかして休憩をとってたらスタジオに白人の若いのが紛れ込んでるのに気がついたんだ。明らかにヘロイン中毒な感じでね。まるで知らないやつだったんだけど、ギターをちょっとだけ弾くと言って、俺たちの演奏に加わってその分ちょっと恵んでもらえないかと言うんだよ」

言い分を聞き入れる筋合いはなにもなかったものの、ジョージはその青年にやらせてみることにしたという。

「セッティングを済ませて、それからトラックを回し始めたら、それに合わせてもう取り憑かれたように弾き始めてね。しばらく聴いてなかったようなロックンロールを弾きまくって、トラックの間中弾き倒したっていう感じだったよ。トラックが終わってもなお、弾き続けてるんだからさ。こっちはみんな目が点になっちゃってね、『すげえ』って感じだったよ。約束では25ドル(当時のレートで約7500円)っていう話だったんだけど、気に入ったから50ドル(当時のレートで約1万5000円)払うことにしたんだ」

「あれから何年も経ってわかったのは、この曲がこのアルバムの中でも最もよく聴かれてる曲になったっていうことでね。俺はまたあの人物を探し出して俺たちのアルバムで弾かせたいと思ったんだけど、そのまま消息不明になっちゃったんだよ。2度と現れなかったんだ。その後、一切あいつについて聞いたこともないんだよ。だから、クレジットも入ってないんだよね、どこの誰だったかも知らないんだからさ」

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