エイフェックス・ツイン、新作『サイロ』について語る

エイフェックス・ツイン、新作『サイロ』について語る

9月24日に13年ぶりとなる新作『サイロ』をリリースすることを明らかにしたエイフェックス・ツインだが、リチャード・D・ジェイムスは音楽サイトのピッチフォークとの取材に応じたとか。インタヴューの内容はまだ明らかになっていないが、ピッチフォークではその内容をかいつまんで報告していて、それによれば以下のようなものだという。

●タイトルの「Syro(サイロ)」とはリチャードの子供が作り出した言葉だという。

●リチャードはいくつかアルバム制作に取りかかっているが今回の『サイロ』はその中でも最もわかりやすい内容だという。

●ユーチューブにすでにおびただしいほどの『サイロ』と称した偽音源が上げられていることについては次のように語ったという。「最初のやつは観たけど、もう2万6千回くらい再生されてるから、偽物を作る連中にとっても明らかに魅力的だよね。『こっちも本物を一緒に上げとけばよかったぜ』っていう感じだよ。とはいえ、まだ出せないからね。ぼくは。ユーチューブってどれくらい金になるの?」

●『サイロ』にはなにを歌っているか、あるいは語っているのか判然としないヴォーカルが使われているが、それにはリチャード、リチャードの子供たち、リチャードの妻、リチャードの両親の声が使われているという。

●カニエ・ウェストが『マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー』の"ブレイム・ゲーム"の中でエイフェックスの『ドラックス』中の"AVRIL 14TH"のサンプリングを使っていることについては次のように語っている。「あれってまだサンプリングのままなの? カニエがぼくの作品をパクって自分で書いたことにしたがってて、なんにも払わずに済まそうとしたのはわかってるけどね。ぼくの方はすごく協力的だったんだよ、音源を送ってきた時だって『もしよかったら、自分の音源のところはやり直してあげてもいいよ』って言ってたくらいで。

でも、『こんにちは』『ありがとう』の挨拶もなくて、『この音源はあなたのではなくてこちらのものですから、これ以上なにもお願いすることもありません』って返答してきたんだよ(笑)」

●『サイロ』のトラック・タイトルのほとんどはリチャードが今回使用した機材についてのものだという。

●現在、リチャードはMIDI仕様のパイプ・オルガン、ディスクラビア使用のピアノ、PCで制御されたパーカッションなどを使った音楽に取り組んでいるという。

●リチャードの別プロジェクト、コースティック・ウィンドウのテスト盤音源がネットで売り出されたところ、リチャード側とファンの有志で出資して音源を買い取ったことについては次のように振り返っている。「あれはもうすべてがただ感動的だったよ。

『なんだかんだいって、人間愛っていいもんだ』って思えたよ。ファンはあの音源を手に入れるだけで満足してたんだ。ああいう音源なら自宅にあと数千くらいはあるからね。そういうのも全部出しちゃうべきかな」

●20世紀初頭に活躍したスペインの政治家パブロ・イグレシアスと容姿が似ていることについては「確かにあいつ似てるよね、ぼくに」と認めている。

●『サイロ』の限定盤には厚いカード用紙にインクでプリントされたボーナス・トラックがついてくるそうで、「何度か聴いてみたけど、ただのノイズのような音で、ただ、かろうじて音楽も聴こえてくるんだ」と説明している。

●匿名でDJは今も続けていると次のように語っている。「うまくいったライヴはどれも小さな会場でやったやつだよ。最近でもいくつかライヴを楽しみのためだけにやってみて、匿名でやったんだけど、普段のライヴより全然うまくいったよ。そういう店だとたいていサウンドシステムはろくなもんじゃないんだけど、自分が誰なんだかわかってないと本当にやりやすいんだよ」

●エイフェックス・ツインとして1995年に制作されたと言われ、流出音源としてネットで取り沙汰されてきている『Melodies from Mars』については確かに自分が作った音源だと次のように認めている。「ネットで出回ってるのは本当にあれのひどいコピーなんだ。あれはワープに渡した音源だから、ワープにいたクソバカが数年前に流出させたってことになるよね。実際、あれにはまた取りかかって編集をやり直してもうちょっとで出すところまで行ったんだけど、また気が削がれちゃってね。やり直すと、あれにはもう山のように音源があったことを思い出すことになるんだよ。もともと2枚組として始めたものが4枚組分くらいの音源はあるんだよね。だから、本当にまとめるのがしんどいんだ。ワープか誰かに来てもらって『もういい加減にあれ出しましょうよ』って尻をひっぱたいてもらえればやれそうなもんなんだけど。でも、ワープはそんなことしてこないし、ぼく次第ってことになっちゃうんだよね。ぼくに口を出してくる人なんてほかにいないしね」

●リチャードの5歳になる息子はパイレート・ベイを使って音楽ソフトを手に入れ、ソフトの使い方を独学で身に着けると、インディ・アーティスト向けの音源ストリーミングと音源販売サイトのバンドキャンプで作品をすでに公開しているという。

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