700社超のインディ・レーベルがデジタル領域でのビジネス環境の不公平是正に乗り出す

700社超のインディ・レーベルがデジタル領域でのビジネス環境の不公平是正に乗り出す

ベガーズ・グループのほか、エピタフやサブ・ポップなど世界のインディ・レーベル700社以上が賛同して「公平デジタル契約宣言」という取り決めに署名し、デジタル音源のセールスやストリーミングについて公平な会計を行っていくことを訴えている。

インディ・レーベルの業界団体、世界インディペンデント・ネットワーク(WIN)によれば、今回の宣言はライセンス契約から発生する報酬がレーベルとアーティストとの間できちんと分配されていなかったり、最低収入額の設定などで生じている不公平を是正していくためのものだという。特に各種デジタル・サービスとレコード会社との間では、ライセンス契約にもとづく収入についての問題が頻繁に生じているとローリング・ストーン誌が伝えている。

特にストリーミングなどオンラインでの音楽サービス業者の間では、インディよりもメジャーに対してより有利な条件を提示するという慣例が定着しつつあり、実際のライセンス契約とは別途にサービス業者がメジャー・レーベルに前金や株式を提供するケースなどが増えているという。こうした収入はアーティストとは共有されないものになるので、今回の宣言ではインディ・レーベルがアーティストと無関係な金品は受け取らないこと、あるいは受け取った場合にはアーティストと共有することを明文化しているという。

今回の宣言では特に、印税の明細についての透明性、音楽販売とは無関係な前金などの報酬の計上、音楽を利用し現金化するデジタル・サービスからの収入の改善、作品の無許可使用をよしとしないアーティストの支援、インディ・レーベルとしての役割をまっとうすることへの支援の5点を明確に訴えている。また、そのほかにもメジャーのさらなる合併への反対やインディとしてリリースする音源のさらなるビジネス・チャンスの開拓を目指していくことも掲げている。

最近ではユーチューブが予定している新しい購読サービスで、メジャー・レーベルと契約していないアーティストの取り分が少なくなることなどが明らかになり大きな論議を呼ぶことになったが、今回の宣言はそのずっと前から業界で準備を進めていたものだったとアメリカ・インディペンデント音楽連盟(A2IM)のリッチ・ベングロフは語っている。

「これはアーティストが公平に扱われるべきだという呼びかけであって、わたしたちもまたインディ・レーベルとして公平に扱われたいと感じているんです。この原案はここのところのユーチューブ問題とは無関係に半年前からすでに進められていたんですが、先のユーチューブ問題は、インディペンデント・レーベルとその契約アーティストが確かに不公平に扱われているということの実例そのものなんですよ」

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