ニューヨークで69~70年期のボブ・ディランの音源149曲分が発掘される

ニューヨークで69~70年期のボブ・ディランの音源149曲分が発掘される

ボブ・ディランが1969年から70年にかけてレコーディングした音源が大量に発掘されたことが明らかになっている。

音源はアセテート盤で『ナッシュヴィル・スカイライン』『セルフ・ポートレイト』『新しい夜明け』の時期に制作されたもので、計149枚発掘されている。発掘されたのはかつてスタジオが入っていた建物で、アセテート盤は段ボール箱2個に収納され、「古いレコード」と分類されてあったという。この建物の持ち主が先頃他界したことにより、さるコレクターが調査を依頼され、存在が明らかになったとか。

調査を依頼されたコレクターは次のようにコレクター・サイトのレコードメッカに報告している。

「調べてみると、アセテートの音源の多くは楽曲の未発表ヴァージョンだとわかってきて、場合によってはオーヴァーダブ違いとか、オーヴァーダブなしとかだったりしたんだ。ミックス違いや編集ヴァージョン違いがかなり多くて、ごくまれに完全な未発表音源やこれまで知られていなかった音源があった。アウトテイクの中には『セルフ・ポートレイト』のセッション中に制作されたジョニー・キャッシュの"リング・オブ・ファイア"や"フォルサム・プリズン・ブルース"のカヴァーのエレクトリック・ヴァージョンや『新しい夜明け』のセッション中に制作された"明日は遠く"のゴスペル風ヴァージョンなどがあるんだよ」

「これら149曲のアセテート音源はこの当時のボブ・ディランの制作過程について素晴らしい洞察をもたらすものになっているんだ。ボブは『ナッシュヴィル・スカイライン』をナッシュヴィルで制作し、『セルフ・ポートレイト』をナッシュヴィルとニューヨークで制作し、『新しい夜明け』をほぼニューヨークで制作しているんだね。当時のボブのプロデューサーのボブ・ジョンストンはナッシュヴィルのコロンビア・スタジオで作業を進めていて、今回のアセテート盤の大半はナッシュヴィルで制作されてニューヨークにいたボブのもとに送られ、ボブの意見や認可を求めるものだったんだよ」

なお、70年代頃までのアーティストの制作裏話で頻出する「アセテート盤」だが、このコレクターはアセテート盤を「ラッカーの層を塗ったアルミニウム盤をターンテーブルに乗せ、マスターテープの音源を再生し、熱を持った針で盤に直接その音の溝を刻みこんでいったもの」だと解説している。こうして作られたアセテート盤は制作中の音源の確認のために使用されたもので、通常のターンテーブルで再生できるが、20回から30回再生すると音質が激しく劣化するのだとか。

『セルフ・ポートレイト』用に制作された"ライク・ア・ローリン・ストーン"の1969年ヴァージョン(おそらくワイト島フェスのライヴ音源)のレーベルはこちらから。
http://recordmecca.com/news/bob-dylan-149-unknown-acetates-from-w-houston-street-studio/

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