スピッツ @ 群馬音楽センター

スピッツのアルバム『さざなみCD』のリリース・ツアーを観に、高崎まで行ってきました。会場の群馬音楽センターは、普段はクラシックのコンサートなどが行われている、こぢんまりとした市民会館で、ステージから客席がとても近い。物理的な距離も近い上に、「同じ空間を共有している」みたいな空気のとてもある会場で、こんな近さでスピッツを観れるのはお客さんもうれしいだろうけど、同じようにメンバーもうれしかったらしく、MCの度に「この会場は2年ぶりだけどすごくよく憶えてる」「お客さんが近くてよく見える」「またここに来れるようがんばる」というようなことを口にしていました。

そんな環境なんだからライヴが悪いわけがない。すばらしく充実した内容だった。“群青”“ルキンフォー”“僕のギター”“桃”などなどの、ニュー・アルバム『さざなみCD』の曲を中心にしつつ、“チェリー”“ヒバリのこころ”などなどの過去の代表曲たちを、要所要所にちりばめていく構成。 スピッツは、アルバムを出す度に1年とか1年半とかかけて長いツアーをやるバンドであって、そのツアーはいつも基本的にそういう内容であって、ってことはつまりいつものリリース・ツアーと同じってことなんだけど、なのになんでこんなにいいんだろう。 単純に、ニュー・アルバムの曲たちがすばらしい、というのもあるし、各楽器の音がとてもクリアに聴きとれる、ていねいな演奏のよさとPAのよさもあった(特にマサムネとテツヤのギター2本。サウンド的に、ギターが2本ある必然がはっきりと聴き取れる感じにどんどんなっていると思う、ここ数年のスピッツって)。あと、照明とかの演出もよかった(ツアーまだまだ続くので詳しく書けませんが)、というのもある。

あるけど、それらだけじゃない。いつもスピッツを観る度に、聴く度に、この「何で飽きないんだろう、いつも同じなのに」「何ですばらしいんだろう、ずっと変わらないのに」という問題に直面させられるんだけど、今回もそうだった。で、その「何で」を色々考えながら、新幹線と埼京線を乗り継いで帰ってきた。今もまだ考えている。続きは2月20日発売のロッキング・オン・ジャパン3月号で書きます。(兵庫慎司)
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